1. 分析結果と結論
今回は展開上レースペースを定量的に導出できるドライバーが非常に少なかった。ミディアムタイヤで5人、ハードタイヤで3人のみのレースペース比較を表1,2に示す。全体のレースペース比較は今回は導出不能と結論づけた。
表1 ミディアムタイヤでのレースペース
表2 ハードタイヤでのレースペース
レースペースを振り返って
前回マイアミGPでフェルスタッペンから1.1秒落ちのペースを見せた角田。今回も好ペースを発揮し、ドライではフェルスタッペンの1.3秒落ち。ノリスを明確に突き放す好走を見せた。
一方フェラーリはルクレールがアロンソの0.6秒落ちと、予選から一転してレースペースでは苦戦した。32周目に前が開けてからもあまりペースが上がっていないことが、下記付録のグラフからも見てとれる。
また、フェルスタッペンとアロンソはタイヤが異なるため直接の比較はできないが、共にマクラーレンの1台に対して1.4~1.5秒と同程度の差をつけている。ノリスとピアストリに大差がなかったことを前提とすると、フェルスタッペンvsアロンソはレースペースでも予選と同様に接近した実力を持っていた可能性が高い。
2. 分析方法について
フューエルエフェクトは0.04[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。
また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。
※今回も「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。
3. 付録
参考までに、分析に使用したグラフを添付する。
Writer: Takumi