3/20 22:58 修正:表1,5のストロールのレースペース
1. 分析結果と結論
表1,2,3にタイヤごとのレースペースを示す。
表1 ミディアムタイヤでのレースペース 1
表2 ミディアムタイヤでのレースペース 2
表3 ハードタイヤでのレースペース 1
表4 ハードタイヤでのレースペース 1
☆注意点
ミディアムタイヤではハミルトンとジョウのペースを、ハードタイヤではマクラーレン勢のペースを他と比較できなかったため、別々の表に示した。
また表1において、アロンソがペレスのDRSを使った変則的な走りをしていることを考慮する必要がある(「3.付録」の最上段の図を参照のこと)。抜かれてから9周目までは、オーバーペースでタイヤを使ってしまうことを覚悟の上でDRS圏内にぶら下がってタイムを稼ぐ戦術的判断だったと考えられる。10周目以降のペースのみ比較を行うと0.6秒落ちとなり、これはややアロンソにとって不利な数値だ。逆に9周目までのDRS圏内でのペースを含めるとペレスの0.4秒落ちとなり、こちらはアロンソに有利な数値だ。よって当サイトでは平均を取り「ペレスの0.5秒落ち」と結論づけた。
最後に、これらを総合した全体のレースペースを表5に示す。
表5 全体のレースペースの勢力図
☆注意点
ラッセルとの相対的な関係において、ペレスはハードタイヤで0.3秒ほどペースアップしている。これはアロンソを見てコントロールできる展開だった第1スティントと、フェルスタッペンが追い上げてくる中でペースを上げる必要性があった第2スティントの差と考えられ、その前提で第2スティントでのペースをペレスのレースペースの真値と考えて表5を作成した。
レースペースを振り返って
レッドブルが圧倒的なスピードを見せた。その他の上位勢ではやはりアロンソが頭一つ抜け出し、ラッセルが続いた。フェラーリは通常レースペースで優れるルクレールがサインツに引っ掛かってしまったため、メルセデスに遅れを取ったとは一概には言えないが、それでもルクレールが0.4秒を持っていたとも考えにくく、高速コースジェッダでもフェラーリはレースペースで苦戦していた可能性が高いだろう。
2. 分析方法について
フューエルエフェクトは0.08[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。
また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。
※今回から「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。
3. 付録
参考までに、分析に使用したグラフを添付する。
Writer: Takumi