• 2024/11/14 16:09

2023年日本GP レースペース分析

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※21:25修正:ローソンのレースペースに誤りがあり、修正。
※9/25 10:44:アルファタウリ勢のデータを修正。

1. 分析結果と結論

 各タイヤごとの各車のレースペースの力関係を表1,2に示す。

表1-1 ミディアムタイヤでのレースペース 1

 

表1-2 ミディアムタイヤでのレースペース 2

 

表2 ハードタイヤでのレースペース

 

 そして、ここまでを総合してレース全体でのレースペースの力関係を求めると、表3、図1のようになる。

表3 全体のレースペース

 

図1 全体のレースペース(visualized)

 

レースペースを振り返って

 予選同様にフェルスタッペンが圧倒的なペース差を見せつけた。終始先頭を走っていたため、これでもどの程度本気でプッシュしているかは疑問符がつき、レース展開次第では更なるハイペースを見せた可能性さえある。

 フェルスタッペンに続いたのはノリスだが、ノリスも3番手以下の集団からは大きく飛び抜けたペースを示した。そしてそれ以下の集団はハミルトンからオコンまでが0.3秒差以内にひしめいており、FP2のロングラン分析での予想通りの大接戦となった。こうなると、やはりグリッドポジション、そして自身のペースを活かせる戦略を見つけることが重要だ。例えば同じレースペースでも、表彰台のピアストリと8位のアロンソではグリッドポジションの違い、そしてアロンソにとっては第2スティントでオコンの後ろでロスをしたことが大きく響いた。

 アルファタウリ勢は、ハードでは角田がオコンから0.3秒差となかなかの競争力を見せたが、ミディアムの第2スティントの出来が非常に悪く、ここでライバル勢から置き去りにされてしまった。FP2のロングランでは上位勢に迫るペースを見せていたが、予選で好調、レースで不調という展開になってしまった。ここ数年のアルファタウリは、予選とレースのセットアップ面でのバランスの取り方に苦戦しているように見受けられ、今年はレース重視のアプローチが多かったが、今回は逆の傾向となってしまった。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.08[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。

各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

 今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

3. 付録

 参考までに、分析に使用したグラフを添付する。

Writer: Takumi