※8/28 19:40:付録のグラフがベルギーGP時の物になっていたのを修正
1. 分析結果と結論
各車のドライコンディションでのレースペースの力関係を表1に示す。今回はソフトタイヤでのレースペースのみ算出可能であったため、そのまま総合的なレースペース分析結果となる。
表1 全体のレースペース
☆注意点
アロンソ、ヒュルケンベルグ、ローソン、ボッタスのドライでの最後のスティントが非常に速かったが、ショートスティント故にかなり激しいプッシュができたと考え、アロンソに関してはあくまで中盤のスティントでの力関係を基準に判断し、上述した他の3名についてはアロンソを基準とした比較で算出した。
また、アルボンはウェット路面でのドライタイヤのデグラデーションを無視して計算した。実際には僅かながらデグラデーションがあったと考えられるため、もう少し速かった可能性はある。
レースペースを振り返って
レッドブルが最速だったのは間違いないが、アロンソも0.5秒、ガスリーも0.6秒差で続いており、今回は最近失速気味だったアストンマーティンとアルピーヌが復調を見せた。もちろんメルセデスやマクラーレンに関して定量的な評価が難しかったため、アストンマーティンが2番手に返り咲いたと断言はできないが、各スティントの文脈から考えて、アロンソはノリスよりも速かったと思われ、ハミルトンに対しても互角もしくは優っていた可能性が高いように思われる。
2. 分析方法について
フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。
また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。
※今回も「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。
3. 付録
参考までに、分析に使用したグラフを添付する。
Writer: Takumi