• 2024/4/27 14:50

2023年マイアミGP レースペース分析

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1. 分析結果と結論

 種々の条件における各車のレースペースの力関係を表1~3に示す。

表1 ミディアムタイヤ(レース前半)でのレースペース

 

表2 ミディアムタイヤ(レース後半)でのレースペース

 

表3 ハードタイヤでのレースペース

 

 そしてここまでを総合してレース全体でのレースペースの力関係を求めると表4のようになる。

表4 全体のレースペース

 

☆注意点

 アロンソは第2スティントで本来の力を発揮しておらず、第1スティントの値を使った。

 またオコンは、ミディアムでの第2スティントでグレイニングの傾向が見られ、それによってかなりロスをした。したがってオコンについてはハードでの「ハミルトンの0.3秒落ち」をそのまま総合結果に採用した。

 また角田はハードタイヤでヒュルケンベルグを追い回しており、オコン、ヒュルケンベルグ、マグヌッセン(フェルスタッペンの1.2秒落ち)より速かったことは定性的に言える。そしてミディアムに履き替えてからの「ハミルトンの0.2秒落ち」(表2)をハードでの力関係(表3)に適用すると、見事に辻褄が合う。したがってこの数字を角田とライバル勢の定量的な比較の結論とした。

レースペースを振り返って

 久々にフェルスタッペンがペレスに大差をつけた。ここまでの序盤戦では2人の差が小さく、フェルスタッペン視点で見ればやや心配なパフォーマンスだった。しかしここに来て昨年までと同様の大差がつき、今後数戦で傾向が継続するのか注目だ。

 フェルスタッペンを除けばアロンソはペレスに肉薄し、メルセデス勢、フェラーリ勢のみならずアルファタウリの角田、ハース、アルピーヌらも上位勢に近いペースを見せたのが印象的だった。各チームの戦力が拮抗してくるとレース毎の力関係の変化も期待でき、予測できないエキサイティングなシーズンが待ち受けているかもしれない。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.07[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。

各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

 今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

※今回も「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。

3. 付録

 参考までに、分析に使用したグラフを添付する。

Writer: Takumi