• 2024/11/21 15:27

2022年サンパウロGP レースペース分析

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1. 分析結果と結論

 表1,2にタイヤごとのレースペースを示す。

表1 ソフトタイヤでのレースペース

 

表2 ミディアムタイヤでのレースペース

 同じタイヤを2回以上履いて、それぞれのスティントで競争力が異なる場合はそれらを平均した。(ルクレール、フェルスタッペン、アロンソら)

 最後に、これらを総合した全体のレースペースを表3に示す。

表3 全体のレースペースの勢力図

 単に両タイヤでの平均を取らず、レースの中での当該タイヤの重要性(距離・文脈など)から比率で計算した。

レースペースを振り返って

 メルセデスが高い競争力を見せたのは確かだが、ルクレールもかなりのペースがあり、各々のインシデントが無ければラッセルvsハミルトンvsルクレールの三つ巴の戦いになっていたかもしれない。

 またフェルスタッペンはミディアムではハミルトンの0.1秒落ち、最終スティントのソフトでも0.4秒落ちとまずまずのペースを見せたが、第3スティントのソフトでのペースが悪く、ハミルトンの0.8秒落ち相当だった。そしてこれらのスティントごとのバラツキも気になるところだ。

 中団からはアロンソが抜け出し、ミディアムでは3強に接近するスピードを見せた。またメキシコに続いてアルファロメオのペースが良く、ここにきてシーズン序盤の勢いを取り戻してきたのも印象深い。

 またソフトはミディアムに対して0.4~0.5秒ほどのアドバンテージがあったと考えられる。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.04[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。

 各ドライバーのクリアエア・ダーティエアの状況把握は、全車の走行状態をこちらの記事にまとめ行った。

各ドライバーの使用タイヤはこちらのピレリ公式より

 また、今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

3. 付録

 参考までに、分析に使用したグラフを添付する。

※チームメイト間の比較は全車の走行状態を参照のこと

Analyst: Takumi