• 2024/11/21 15:26

Vocabulary Master (JPN-ENG)

1. 背景と目的

 F1に関する情報収集において障壁となるものの一つに言語の壁がある。TOEIC900点台の人間でも、日本語と同レベルでの速読や論理的思考、複雑な議論などができる人は稀であり、他ならぬ筆者も自身をEnglish Learner(学習者)と位置付けている。

 重要なのは単語の量と質だ。リスニングだけを考えても、早口で捲し立てられた時に聞き取れるのは「よく知っている単語」のみで、ただの「知っている単語」は聞き取れないことも多い。 “Pen”や”Bear”、F1ファンであれば”Machine”や”Undercut”のように、手足の一部のように扱える単語は聞くにも喋るにも問題はないはずで、こうした単語を増やすことで英語を扱うことが一気に楽になる。

 そこで、本”Vocabulary Master”は、11/7にリリースされたGPTs(ユーザー一人一人がGPTをカスタムして共有できる機能)を使用し、ユーザーが英単語を覚えるのを手助けすることを目的として作られた。

2. 使用方法

 以下のリンクからVocabulary Master (以下VM)を使用することができる。

Vocabulary Master (JPN-ENG)

※11/13現在、OpenAI側の不具合で他者の作成したGPTsを使用する際に再ログインが求められることがある。その場合、「Sign up to chat」を押して次のページに進んだ後、ブラウザの戻るボタンで本来のページに戻ることができる。律儀にログインする必要はない。

 さて、VMの使用法は簡単で、最初に知りたい単語を打つだけだ。英単語ならばVMは日本語の意味を、日本語を送れば英語で何と言えば良いかを、日本語で丁寧に解説し、例文を3つ出力してくれる。例文はインパクトに残りやすいものを作るようにしてあるため、その内容と関連づけて単語を覚えやすくなっている。単なる英和・和英辞典と異なり対話ができる点が素晴らしい。質問があれば遠慮なくぶつけてみよう。

 以下にチャットのスクリーンショットを載せる。

 ここで「&q」と打つと、英訳の例題を3問出題してくれる。ちなみに「&」を書き忘れても問題ないようだ。この辺りは「察する」ことに長けたGPTの長所が活きている。以下がその様子だ。

 ちなみに、例題の数を増やしてもらうことも可能だ。「&q4」と入力すれば4問、「&q10」と入力すれば10問出題される。

 さて、英訳が終わったら回答を送信しよう。するとVMがフィードバックをくれる。

 見事なフィードバックだ。ただし、この時に元の単語(この場合はproximity)を含まない添削をしてくることがたまにある。普通にGPT-4を使うよりも数倍はその辺りのいわゆる「ポンコツ回答」を減らせるように抜け穴を塞いだが、完全なゼロにするのは現状は厳しそうだ。その際は「proximityを含んでいませんよ?」のように優しく指摘していただければ幸いである。

 また、現状から改善するための最適な課題設定についてもアドバイスを求めることができる。

 少し優等生的な感じがしたなら、以下のようにお願いすると良いだろう。

 さて、次の単語に移りたい時も、会話の流れで続けてしまって問題ない。

 せっかくなので、こんなアドバイスも求めてみよう。

 このように様々な手法で言葉を覚えやすくしてくれている。

3. まとめ

 このようにVMは、スピーディな操作性と高精度な回答、インパクトのある例文や、GPT-4ならではの知的で柔軟性のあるコミュニケーション力を備えた、優秀な英語教師だ。ChatGPT Plusをお使いであれば、ぜひトライしてみていただきたい。

 また、GPTsおよびVMは誕生したばかりのサービス・ツールであり、ご要望があれば何なりとX(@f1_strategy)までリプライをいただければ幸いである。生成AIの特性上、すべてに完璧にお応えすることは難しいが、VMのパフォーマンス向上に繋げていきたい次第である。

Writer: Takumi