• 2024/12/13 01:14

2023年ハンガリーGP レースペース分析

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1. 分析結果と結論

 各タイヤごとの各車のレースペースの力関係を表1,2に示す。

表1 ミディアムタイヤでのレースペース

 

表2 ハードタイヤでのレースペース

 

 そしてここまでを総合してレース全体でのレースペースの力関係を求めると、表3のようになる。

表3 全体のレースペース

 

☆注意点

 アストンマーティン、特にアロンソは第2スティントまでの出来が非常に悪かった一方で、第3スティントではかなり競争力があった。これらについては各スティントの平均をとり、表3に反映した。

レースペースを振り返って

 ペレスが圧倒的なペースを示したが、フェルスタッペンとしてはかなり余裕を持って走っていたと思われる。付録のグラフをみてもフェルスタッペンのデグラデーションは異様に小さく、かなり抑えて走っていたと考えるのが自然だろう。

 マクラーレンとメルセデスがトップを掛けて争う位置まで来ており、前半戦とは全くの別世界が広がっているのが非常に興味深い。相性が良いと思われたアストンマーティンは全くペースを発揮できず(速かったアロンソの第3スティントですらルクレールを0.1秒上回る程度)、ここ数戦での低迷がコース特性との相性ではなく、単に開発競争に遅れを取っている可能性が高まってきた。

 またリカルドがフェラーリ勢に迫るペースを見せ、アルファタウリのレースペースの良さを再び示した。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。

各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

 今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

※今回も「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。

3. 付録

 参考までに、分析に使用したグラフを添付する。

Writer: Takumi