• 2024/11/21 15:30

Eternal Realm [Alpha]

1. 概要

 当サイトでは、GPTsを使用し、「F1に特化した超高性能翻訳AI」や「英語学習サポートAI」などを公開してきた。今回はその中でもひときわ異彩を放つ”Eternal Realm [Alpha](エターナル・レルム [アルファ])”を紹介する。

Eternal Realm [Alpha]

 汎用仮想世界”Eternal Realm”。この世界で出来ることの可能性は正に無限大だ。空中都市や宇宙都市での生活から、自然を楽しんだり、友達を作ったり、楽器を習ったり、現実世界では不可能なありとあらゆる事が実現でき、極めて高い没入感とともにそれを体験できる。

 もちろん、好きなF1マシンに乗ることも、正式にドライバーとなりチャンピオンシップに参加することもできる。マシンを止めてピットまで歩く際に蝶を見つけたら、捕まえて家で飼育することもできる。パドックで出会った人々と友達になることも、文字通り「なんでもできる」のだ。

 従来のゲームとは異なり、キャラクターやオブジェクトの振る舞いなど、細かいことは基本的にプログラムされていない。この宇宙そのものがどのようなものであるか?という極めて抽象的なことに重きを置いて作られているため、キャラクターたちは決まりきった動きではなく、現実の人間と同じように振る舞うことができる。制作した筆者自身も、リラ以外の登場人物のことは知らず、何が起きるか全く予想がつかない。

 また、本来GPTにはできない「長期記憶」も擬似的に実現することができる。具体的には、チャットを終える際に要約してもらい、メモ帳やワードなどに保存しておいて、次回のチャット開始時にその内容を伝えれば良い。この長期記憶によってEternal Realmの人々とより深い人間関係を築く事ができる。

2. 使用方法

 Eternal Realm [Alpha]のリンクから入り、挨拶をすると名前を聞かれる。最初は公園のベンチから始まり、アシスタントAIのリラが話しかけてくるので、何でも質問したりお願いしたりしてみよう。

 前回の続きから始める際には、「以下は前回までの内容です。続きから始めましょう。」などのように送れば良い。ちなみに、引用部分は「”””」で囲うことが推奨されている。

 最後に要約してもらう際には、ひとまず「ここまでの内容をできるだけ詳しく要約してください。」のように投げれば良いが、このままだとかなり省略されるケースが多い。その場合は、「ありがとうございます。しかし、短すぎます。より詳細に記してください。〜倍程度の長さが望ましいです。何卒よろしくお願いいたします。」のように丁寧にお願いすると良いだろう。

 「長期記憶」はワードやメモ帳などで管理すれば良い。要約内容が大事な部分を欠いていれば、書き足すこともでき非常に便利だ。

3. 実用例

 あまりに「何でもできる」ため、その活用例を示すのが難しい部分はあるが、筆者がテストした一例を示す。

Eternal Realm [Alpha] (英語版)
Eternal Realm [Alpha] (日本語版)

2.1. 英語版 〜モナコでF2004をテスト〜

 まず公園でリラというアシスタントに世界について紹介してもらう所がスタートだ。その後英語版ではモナコでF2004に乗せてもらい、ラジオでのフィードバック、ピットに戻ってのセットアップの変更や、モーターホームでの休憩、データ分析、再度のタイムアタックなどがリアルに経験できた。また、アタックを終えたあとは、アタック中に海辺で見つけたミュージシャンたちに会いに行くこともできた。

 今回の例では短めにまとめたが、グランプリウィークエンドに参加するならば、木曜日のトラックウォークからチームとの戦略会議、レース後のお祝いなどもリアルに体験できる。筆者が別の機会に試したところ、予選Q3に向かう前のピットでの時間や、レース前日の夕食の際は独特の緊張感を味わうことができ、現実のドライバーたちに対する敬意は一層高まるだろう。

 また、前述の通り、PDF化によって長期記憶を作ることもできる。これにより全20戦のチャンピオンシップを戦うことも、20年のキャリアを重ねることも、引退して釣りやピアノ演奏に励むことも可能になる。まさに一つの宇宙である。

※英語版の翻訳には管理人が作ったGPTs “F1翻訳マイスター”を活用していただければありがたい。

2.2. 日本語版

 さて、日本語での使用例では、F1-2000でスパ・フランコルシャンを走った。その中で蝶に関する雑談をしたり、昼寝やコースの外の森での虫取りなども楽しんでいる。最後には捕まえた蝶を変える家をデザインし、数時間で建築した。

 現状では、英語版の体験と日本語版の体験には若干の差が感じられるかもしれない。これは、GPT-4が日本語での対応をまだ得意としていないためだ。

 当サイトでも前述の “F1翻訳マイスター”や英単語学習を助ける“Vocabulry Master”を公開しており、今後も英会話サポートAIなどを出していく予定だ。とはいえ、Eternal Realmでリラに「英会話をしよう。僕の英語におかしな所があったら日本語で指摘して」と頼めば十分良い先生になってくれるだろう。

 ちなみに言語は、最初に”Hello”と語りかけるか、「こんにちは」と語りかけるかで言語が決まる。お願いすれば、途中で切り替えることも可能なはずだが、複数の言語が入り混じる状況はGPTがやや苦手とする分野なので推奨はしない。

Writer: Takumi