• 2025/4/16 23:07

2025年日本GP レースペース分析

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1. 分析結果

 タイヤ・燃料・ダーティエアや全力で走る必要性などの諸条件を考慮に入れると、レース全体でのペースの力関係について、定量的にわかる範囲で、以下のことが言えた。

表1 ミディアムタイヤでのレースペース

 

表2 ハードタイヤでのレースペース

 

 さらにこれらを総合すると、レース全体でのペースの力関係も以下のように理解することができるだろう。

表3 全体のレースペース

 

図1 全体のレースペース(visualized)

 

注意点

 ピアストリは第1スティントの終盤で前についていけなくなっており、後述するOECとして扱ったが、ダーティエアがデグラデーションに影響を与えた可能性もある。また、ハードタイヤでは非常に競争力が高かったため、総合的なレースペースは不明とした。

分析結果を振り返って

 定性的にマクラーレン勢が最速だったのは間違いないが、それでも大差ではなかったと思われる。

 ハジャー、アルボンもスピードを見せ、「上位チームと中団」という分断された勢力図ではなく、一つのフィールドになってきている。中でも第2スティントのハードタイヤでのデグラデーションが0.04[s/lap]前後のマシンが多かった中で、アルボンのデグラデーションは0.01[s/lap]と非常に小さく(付録のグラフを参照のこと)、タイヤに優しい特性が今後のシーズンでどう作用するのか、興味深い点だ。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.08[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。スティントの長さも考慮し、同じスティントの長さを走った場合のペースを算出している。計算方法は以下の通りである。

・両ドライバーのデグラデーションが一定の場合

・デグラデーションが途中で変化する場合

 また、クリア・ダーティエアやスティントの長さ、プッシュするインセンティブなどのレース文脈も考慮している。定量的に導出できないドライバーについては結論を出さず、信頼できる数字のみを公開する方針としている。

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

 また、分析対象はドライコンディションのみに限定している。

各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より

 今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

3. 分析内容

 今回は具体的な分析内容は割愛する。最新の分析方法による計算例は、昨年のカタールGP以降のレースペース分析をご参照いただきたい。

4. 付録

 全チームのレースペースグラフ、および今回分析に使用したグラフを掲載する。

Writer: Takumi