1. 分析結果と結論
各タイヤごとの各車のレースペースの力関係を表1,2に示す。
表1-1 ミディアムタイヤでのレースペース 1
表1-2 ミディアムタイヤでのレースペース 2
表2 ハードタイヤでのレースペース
そして、ここまでを総合してレース全体でのレースペースの力関係を求めると、表3、図1のようになる。
表3 全体のレースペース
※注意点
両タイヤで競争力が異なるドライバーは、そのタイヤでの周回数に応じた比率で重要度を決定し、総合結果に反映した。
レースペースを振り返って
フィールド全体が非常に接近しているが、やはりレッドブルが頭一つ抜けていることには変わらず、2023年シーズンを象徴するようなレースペース勢力図となった。
また、今年レースペースでチームメイトに差をつけられてきたペレスやストロール、サージェント、ラッセルらが良い走りを披露したのも喜ばしい限りだ。特にトップチームは来年以降の接近したタイトル争いにおいて、2台が近い場所で戦えることが重要になってくる。その意味でもペレスやストロールがこのパフォーマンスを見せ続けらることは、両タイトルを大きく引き寄せることに繋がるだろう。
2. 分析方法について
フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。
また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。
3. 付録
参考までに、分析に使用したグラフを添付する。
Writer: Takumi