2026年以降のパワーユニット(以下PU)に関するレギュレーションが、FIA世界モータースポーツ評議会で承認された。概要は以下の通り。
1. 電力の割合の引き上げ
MGU-Kのパワーが現在の約3倍となる。ブレーキング時の運動エネルギーはより多く回収されることになり、MGU-Kは現在のPUの120[kW]に対し大幅増しの350[kW]を発生する。
2. 高熱効率、大パワー
2013年には1レースで1台あたり160[kg]の燃料を使っていたが、現在のPUでは110[kg]となっている。これをさらに前進させ、2026年PUでは70[kg]の使用量となる。
3. 持続可能燃料による環境負荷の低減
100%持続可能燃料を使用することになり、すなわち新しく化石燃料が使用されることはなくなる。
4. バッテリーの安全性
ハイパワーのMGU-Kがバッテリーやコントロールエレクトロニクスと共にシャシーに取り付けられるが、全ての高電圧の装置はセーフティセルの中に収められる。
5. コスト低減
エンジンそのもののコストキャップ、MGU-Hのような高コストのシステムの廃止、コンポーネントの標準化により、コスト削減を行う。動力系の時間も制限されることになる。また1台あたり年間3基の使用制限は継続される。
6. マシンは暴れ馬になるか(?)
MGU-Hの廃止によって大きなターボラグが戻ってくる可能性がある。
7. さらなる環境負荷の低減
バッテリーのリサイクルが義務付けられ、使い終わったMGU-Kのリサイクル(コバルトなどが作られる)なども選択肢となっている。
Source: F1 Official Website(1) (2)
翻訳・執筆: Takumi
管理人のコメント
燃料消費量が70%になるということは、1周あたりのフューエルエフェクトが70%になるので、レースペースのグラフが全体的に右肩上がりになりにくくなるでしょう。(軽くなっていかない)
あるいはスタート時に積む燃料搭載量が、現在の2ストップレースの第2スティントの頭程度の重量になるということも、タイヤマネジメントなどの点に影響があるかもしれません。