• 2024/11/22 04:16

汎用仮想世界とAIを活用した英語学習法

Bytakumi

1月 15, 2024

 F1翻訳マイスター、Vocabulary Masterに始まり、様々なGPTsを公開してきた管理人。今回はそれらを活用した英語学習メソッドを紹介する。

1. “Eternal Realm” で英語に触れる

 英語力を向上させるのに最も効果的な方法の一つが、英語が使われる環境に日常的に身を置くことだ。従来であれば留学をしたりするしかなかったが、管理人が作った汎用仮想世界 “Eternal Realm” では、それ以上の経験ができる。

Eternal Realm紹介ページ

 この世界では、現実と同じように自由に行動し、キャラクター達と対話することができる。

・アシスタントのリラとの会話
・家を建てて、近所の人々と雑談
・F2004やRB19を走らせながら、エンジニアにジョークを飛ばす
・F1レースに出場し、チームメンバーやライバル達と会話、メディア対応ほか
・一人で散歩
・”Eternal Realm”の中に新しい世界観の宇宙を生成し、ジェダイやシスになる

 など、無限の可能性が広がっている。

 現実世界では、視覚・聴覚…といった五感情報を通して外界とのインタラクションを行うが、Eternal Realmでは、シーンの描写や自分自身のアクションも(カッコ)を使って言語で記述するため、非常に勉強になる。これは現実世界で一般的に推奨されている「自分自身の行動を英語で言う」訓練に相当する。筆者自身も30日前に覚えた単語を復習する際に、体験を伴わずに(動画や辞書サーフィンなど)覚えた単語は80%忘れているが、逆にEternal Realm内で覚えた単語の80%はその時のイメージと共に鮮明に思い出すことができる。

 以下はEternal Realmでの会話の導入部だ。ここから公園にいる人たちに話しかけるも、鈴鹿サーキットにテレポートするも自由、全ての可能性は無限大だ。

 なお、チャットの最後に内容を要約してもらい、次回のチャットを始める際に読み込ませることで、長期記憶を擬似的に実現できる。長期記憶が溜まってくると(特に3日目付近から)、内部のキャラクターたちの知能や宇宙全体の整合性が上がってくるため、より学習の効率も上がりやすいかもしれない。

2. 各種AIを使いこなす

 とはいえ、急に英語だけの世界に放り込まれても厳しいだろう。よって別タブで幾つかのGPTsを開いておくのがオススメだ。基本的には以下の3つで問題ないだろう。

【英語教師AI】Leonardo Stern先生
Vocabulary Master
F1翻訳マイスター

 Leonardo Stern先生については、普通の学校の先生だと思って何でも質問してみよう。Eternal Realm内で疑問に思ったことや自信を持って言えない表現などを質問してみよう。考えがまとまっていなくても、「〜という経緯で、〜な状況で、〜な感じのことを言いたいのですが、良い表現はありませんか?」ぐらいの質問にも快く答えてくれる。分かりやすい解説に加え、発音も促してくれたりと、かなり面倒見の良い先生になっているので、頼りにしていただければ幸いだ。

 Vocabulary Masterは、どちらかというと復習向きだ。覚えにくい単語は、Vocabulary Masterに打ち込めば、解説と例文、希望すれば(「@q」がショートカット)例題も出してくれる。以下が会話の一例だ。

 このように例題の内容がエキセントリックなので、印象に残りやすく、筆者自身も非常に重宝している。

 ちなみに、辞書で済むことは辞書で済ませるのがベターだ。英辞郎やWeblioなどの辞書、あるいは中級者以上ならばLONGMANのような英英辞書も良いだろう。GPT-4には3時間で40メッセージまでという制限があるため、無駄に消費しないほうが賢明なのだ。

 また、Eternal Realm内での会話で言いたいことが全く言えない時、あるいは相手の言っていることが全く分からない時は、翻訳AIを使おう。上述した通り、GPT-4の回数制限を鑑みれば、DeepLをメインに使うのが賢明だろう。その中で、DeepLの訳に納得できなかったり、より正確な訳が必要な場面では、F1翻訳マイスターを使用していただけると幸いだ。ちなみに、これはF1に関する深い知識を備えた翻訳AIではあるが、その他の分野でもかなりの精度を発揮できている。

3. Suno AIを使って音楽生成

 Eternal Realmで覚えた言葉は、Eternal Realmで出来るだけ使うようにすると良いが、それだけでは不十分だろう。よって、1日の最後にその日に覚えた単語やイディオムを使って適当に文章を書いてみよう。一般的には日記が推奨されやすいが、筆者のオススメは歌詞として入力し、米Sunoによって開発された音楽生成AI “Suno AI”で歌にしてもらおう。1日7回まで生成できるため、1曲で10単語使うペースで70単語のおさらいができる。自分でも歌ってみたり、楽器が弾ける人は弾き語りをしてみたりすると良いかもしれない。

4. 英会話は”English Conversation Meister”

 ここまではリーディングとライティングに焦点を当ててきたが、リスニングおよびスピーキングのトレーニングも必要だ。そんな時は”English Conversation Meister”をご使用いただけると、英会話の先生として機能してくれる。指導方法に注文がある場合には、最初に要望を伝えておこう。また、音声チャットを使う際にも予め伝えておくと、それに見合った(書き言葉より厳しくない)フィードバックが得られる。

https://chat.openai.com/g/g-0ODeGgxGw-english-conversation-meister

 

5. 復習

 覚えた単語や表現は「Day 1」「Day 2」…のように整理し、ノートなどにまとめておこう。エビングハウスの忘却曲線に則れば、1日後、7日後、30日後に復習するのが望ましい。よって、「Day x」に復習するのは「Day x-1」「Day x-7」「Day x-30」の単語だ。

 この時、何度やっても一向に覚えられない単語も出てくるだろう。そんな時はVocabulary Masterに「この単語は私にとって非常に覚えにくくて、何かぶっ飛んだ特別な方法を使って私に無理やりこの言葉を覚えさせた欲しいです。よろしくお願いいたします。」のようにお願いしてみると、強烈なインパクトを残してくれるだろう。

6. まとめ

 総括すると、筆者のオススメ勉強法は、以下の通りである。

・Eternal Realm内での体験に接地した英語学習
・Leonardo Stern先生の助けを借りつつ正しい英語を使えるようにし、理解を深める
・必要に応じてその他各種AIの助けを借りる
・Sunoを使って音で覚える
・エビングハウスの忘却曲線に基づいた復習

 筆者自身、2024年は英語力を飛躍的に向上させ、AIとのコミュニケーションの円滑化、F1関係の情報に対するアクセス、多様な文化・価値観に対する理解およびそれによる自身の視野の多角化を行なっていきたいと考えている。そうした自身の道のりのガイドブックとも言えるこの記事が、英語力向上を志す皆さまにも微力ながら貢献できれば幸いだ。

Writer: Takumi

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