F1のモータースポーツマネージングディレクターであるロス・ブラウンのコメントがF1公式サイトに掲載された。
今シーズンのマシンは、接近したバトルとオーバーテイクを促進するために新たに導入された空力規定に基づいて設計されている。また、より持続可能な燃料や安全性のアップグレードもフィーチャしている。ブラウンはこれらのマシンが彼らの目標を達成していたかどうかについて語った。
「素晴らしいスタートだが、サンプルの一つだよ。我々はチームが車を開発し始めた時にこれがどう機能するのか、彼らがどのような方向へ向かうのか見ていかなくてはならない。」
「でも、今日我々は(新しい規定のマシンの)哲学を証明した。私はより良いレーシングカーを作る機会が本当にあることをお見せできたと願っているし、これは始まりにすぎない。我々がこれをより詳細に見ていけば、車から得られるデータ(を見て)、それらがどのように振る舞うのか、我々はこれらの車のレーサビリティを改善する次のフェーズについて計画を立てることができる。」
「そして私が嬉しかったのは、現時点では裏付けには乏しいが、彼らがサイドバイサイドでレースできるというエビデンスがたくさんったことだ。それは古い(昨年までの)車の弱点であり、あまり好ましくなかったことだ。」
またタイヤが13インチから18インチに変更されたことについても付け加えた。
「ピレリも称賛されるべきだろう。彼らは素晴らしい仕事をやってのけた。私から見れば、ドライバーがバックオフ(緩める)する必要はなかった。」
「以前はアタックすることはできたものの、1周か2周でバックオフしてタイヤが回復するのを待ち、それから再度アタックする必要があった。それはタイヤだけでなく、マシンの特性によるものだったと思う。だからタイヤも前進し、マシンも前進したんだ。」
「アタックし続けることができ、バトルし続けることができる。それはとても勇気づけられることだよ。」
Source: Formula 1 Official Website
翻訳: Takumi
管理人のコメント
レビューにも書いた通り、ルクレールとフェルスタッペンのバトルは後方乱気流の影響の少ない今年のマシンだからこそできた事だと思います。昨年までのマシンだったら、そもそもフェルスタッペンが3周続けてDRS圏内に入れてはいなかったと思われますし、仮に入ってもルクレールとしてはターン1でラインをクロスした際にダーティエアを受け、ターン2、3でもダーティエアを受けターン4勝負に持ち込むのは難しかったでしょう(もちろんルクレールもそれを分かってターン1でインを守った可能性大)。
またオコンは序盤からアロンソのDRS圏内につけ、アロンソがタレてきた8周目に交わしています。昨年までは、相手よりペースが優っていても後方で距離を置いてタイヤを労って差を作り、相手が落ちてきたところで抜くのが有効な戦術でした。またボッタスも角田のDRS圏内で仕掛け続けましたが、角田がピットに入った後にタイムを上げています。これらは、近年のF1には見られない傾向で、まるでブリヂストン時代のようでした。これもロス・ブラウンの言う通り、マシンとタイヤ両方の進化によるところが大きいのだと思います。