1. 分析結果と結論
今回は殆どのドライバーがハードタイヤでレース距離の大部分を走り切るシンプルな展開となった。したがって、ハードタイヤでのスティントのペースを全体のレースペースとして表1に示す。
表1 全体のレースペース
☆注意点
レース全体の文脈からアロンソはハミルトンと互角とした。同様にガスリーもサインツと互角とした。また、フェルスタッペンは首位独走状態であったため、本来のポテンシャルを発揮していたとは考えなかった。
定量的な分析は以上であるが、ノリスはヒュルケンベルグを明確に上回っており、レースペース自体は表彰台を争う力があったかもしれない。
レースペースを振り返って
ペレスのペースは頭ひとつ抜きん出ているが、フェルスタッペンが本気で走っていればさらに速かった可能性が高い。ハミルトン以降はヒュルケンベルグまで非常にペースが接近しており、今季の残り20戦での勢力図の変動に着目したいところだ。
2. 分析方法について
フューエルエフェクトは0.07[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。
また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。
※今回も「全車の走行状態」を割愛し、各チーム毎のレースペースグラフは下記「3.付録」に示した。
3. 付録
参考までに、分析に使用したグラフを添付する。
Writer: Takumi