1. ピット作業の速さ
以下が国際映像に映った範囲での各々の静止時間だ。
表1 ピットストップ
シーズンを通して良いパフォーマンスを見せてきたレッドブルとマクラーレンが、今回も上位を占めた。ただその強豪レッドブルですら肝心のフェルスタッペンの作業で今ひとつだ。やはり一定の確率でピットストップで数秒手間取ることがあることも加味した戦略を組む必要があるだろう。
例えば、ライバルがアンダーカットにきた際に、ピットストップが3.0秒なら前に出られるからといって翌周反応し、3.5秒かかって後ろになれば、1周しか変わらないタイヤで抜けず、敗北を味わうことになる。一方で、オーストリアGPのフェラーリようにアンダーカットされることは許容し、6,7周引っ張ることでタイヤの差を作っておけば、ピットストップが遅れようと、オーバーテイクする周回が後ろにずれるだけで済む。
2. ボックスパフォーマンス
今日のF1ではピットストップの静止時間が国際映像で映されるほか、ピットレーンの通過時間も記録され、公式サイトにて公開されている。
そこで、当サイトでは
(ピットレーン通過時間)-(静止時間)
を計算し、ドライバー達の停止と発進のパフォーマンスを数値化することを試みる。当サイトではこのタイムを「ボックスパフォーマンス」と定義する。
オランダGPのボックスパフォーマンスは以下の通りとなった。
表2 ボックスパフォーマンス
燃料が重い序盤にフェルスタッペンと角田の2人が圧倒的なパフォーマンスを見せた。フェルスタッペンは前半戦では特別優れたピットストッパーではなかったが、後半戦では無双状態が続いている。
角田はシーズン前半から一貫してペレス、ハミルトンに続き、この分野で3番手の力を示してきた。ここに来てついに同着一位となり、実力相応の結果と言えるだろう。
16.5秒のボックスパフォーマンスのドライバーの中ではオコンが重い状態であるため、一際優れたパフォーマンスと言える。同様に16.6秒の中でもルクレール、アロンソ、アルボンあたりは重い状態での好パフォーマンスだ。レース後半で16.4秒を出したハミルトンやペレスに匹敵する程度かもしれない。
Analyst: Takumi