フェルスタッペンとルクレールの非常にハイレベルなタイトル争いは、6戦を終えてフェルスタッペンが6ポイントリード。第7戦は伝統のモナコGPへとやってきた。
ルクレールにとってはホームGPだが、F2時代から一度も完走が無く、自身のドライビングによらない不運やトラブルが相次いでおり、今回こそは結果に繋げられるか、注目が集まった。
1. 予選からレース序盤は完全支配
1.1. 不完全燃焼も余裕のポール
予選ではルクレールの圧倒的な速さが光った。最終結果は以下の通りだ。
POS | DRIVER | CAR | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|
1 | Charles Leclerc | FERRARI | 1:12.569 | 1:11.864 | 1:11.376 |
2 | Carlos Sainz | FERRARI | 1:12.616 | 1:12.074 | 1:11.601 |
3 | Sergio Perez | RED BULL RACING RBPT | 1:13.004 | 1:11.954 | 1:11.629 |
4 | Max Verstappen | RED BULL RACING RBPT | 1:12.993 | 1:12.117 | 1:11.666 |
5 | Lando Norris | MCLAREN MERCEDES | 1:12.927 | 1:12.266 | 1:11.849 |
6 | George Russell | MERCEDES | 1:12.787 | 1:12.617 | 1:12.112 |
7 | Fernando Alonso | ALPINE RENAULT | 1:13.394 | 1:12.688 | 1:12.247 |
8 | Lewis Hamilton | MERCEDES | 1:13.444 | 1:12.595 | 1:12.560 |
9 | Sebastian Vettel | ASTON MARTIN ARAMCO MERCEDES | 1:13.313 | 1:12.613 | 1:12.732 |
10 | Esteban Ocon | ALPINE RENAULT | 1:12.848 | 1:12.528 | 1:13.047 |
11 | Yuki Tsunoda | ALPHATAURI RBPT | 1:13.110 | 1:12.797 | |
12 | Valtteri Bottas | ALFA ROMEO FERRARI | 1:13.541 | 1:12.909 | |
13 | Kevin Magnussen | HAAS FERRARI | 1:13.069 | 1:12.921 | |
14 | Daniel Ricciardo | MCLAREN MERCEDES | 1:13.338 | 1:12.964 | |
15 | Mick Schumacher | HAAS FERRARI | 1:13.469 | 1:13.081 | |
16 | Alexander Albon | WILLIAMS MERCEDES | 1:13.611 | | |
17 | Pierre Gasly | ALPHATAURI RBPT | 1:13.660 | | |
18 | Lance Stroll | ASTON MARTIN ARAMCO MERCEDES | 1:13.678 | | |
19 | Nicholas Latifi | WILLIAMS MERCEDES | 1:14.403 | | |
20 | Zhou Guanyu | ALFA ROMEO FERRARI | 1:15.606 | | |
Q3の1回目のアタックでは、マージンを残して走りつつも2位以下に0.2秒以上の差をつけてトップ。いつ赤旗が出るかわからないモナコでは、こうして1回目のアタックから本来いるべきポジションにつけておくことが大切だ。
ルクレールがマージンを残していたことは、2回目のアタックで明らかになる。何とセクター1で自身のタイムを0.165秒更新したのだ。さらに、セクター2のタバココーナーまでで0.5秒ほど1回目のアタックを上回っていたようだ。ここで初めてリスクを取って攻めに来たということだろう。
今回のルクレールは予選では手のつけようがなく、結果的にペレスのクラッシュによって赤旗終了となってしまったが、あのラップを走り切ったらどうなっていたかと考えると、少々アンチクライマックスの展開だった。
また、予選の進め方も見事だ。2019年のバクーでのミスから学び、Q1、Q2は通過することだけを考え、リスクを負わないことを徹底している。そしてQ3で一気にタイムアップしつつも、1回目ではまだマージンを残しておくのはモナコでの戦い方として完璧だ。
1.2. 雨でも圧倒的優位は揺るがず
決勝レースは雨。スタート時刻は遅れ、一度はフォーメーションに出るも雨脚が強まり中断するなど波乱の展開に。
雨雲が去りレースがようやくスタートすると、ウェットコンディションでもルクレールは他の追随を許さない速さを見せつけた。図1に上位陣のレースペースを示す。
第1スティントの平均ラップタイムでは、ルクレールがサインツを0.28秒上回っており、レースを完全支配していた。雨がらみの展開では、インターやドライに交換するタイミング次第で秒単位の差がつくことがある。しかしルクレールは後続に6秒程度のギャップを築くことで、そのようなピットタイミングの運・不運で逆転される可能性も潰している(はずだった…)。
またペレスも、16周目にピットに入る直前でサインツから3.2秒遅れており、サインツについて行くことすら厳しい状態だった。
しかしここからフェラーリが戦略ミスを連発してしまう。
2. 何が起きた…!?
ここからのフェラーリの戦略・戦術は、世界的に多方面から批判が集まっている。そこで当サイトでは、フェラーリの判断の問題点を整理しつつも、逆にフェラーリの判断を擁護する方法を探り、それによってどういったプロセスで過ちを犯してしまったのか探ってみるという、ディベート的なアプローチを採ってみよう。
2.1.1. ウェットからインターへ(問題視編)
まず、レースが動き始めたのは、ペレスが16周目にインターミディエイトに履き替えた所だ。
グラフからも、ペレスはインターでウェット勢を6~7秒前後上回るペースを見せた。これにより2周後に反応したルクレールはペレスにアンダーカットされてしまった。
ここでのフェラーリの問題点は2つ、
①ウェットから直接ドライに替えた方が良かった
②ペレスの2周後ではアンダーカットされるリスクが高すぎた
だ。
①について普通に考えれば、ここはペレスは無視してウェットで走り続けるべきだろう。レッドブル勢はどちらにせよフェラーリ勢の後ろだったため、インターでギャンブルをする価値はあった。しかし、フェラーリは前にいた以上、自らトラックポジションを捨ててしまう判断は理解し難い。
路面は急速に乾いており、ウェットで引っ張って、数周後に直接ドライタイヤに乗り換えるのがベストだった。ドライバー達も無線でその旨を述べており、これは2016年の同GPの展開からも明らかだ。
特にサインツの存在は大きかった。ペレスがインターで飛ばしたところで、サインツに引っ掛かってしまうため、ルクレールの背後までは来られない。よってインターのペレスに接戦に持ち込まれるリスクは皆無に等しかった。
②については前述の通り、秒単位で速いペレスを2周走らせれば、ギャップはあっという間に埋まってしまうのは当然のことだ。
2.1.2 ウェットからインターへ(擁護編)
では、ここからフェラーリを擁護してみよう。
まず問題視編の①について。インターが1周5秒速いとすると、ピットストップで大まかに20秒ロスすると考えても4周で追いついてくることになる。そして問題視編ではサインツを抜くのは難しいとしたが、早くにインターに履き替えたガスリーは12周目にジョウをミラボーで、13周目にリカルドをなんとタバココーナーの立ち上がりで交わしている。
この光景を見れば、ドライになる前にインターのペレスがサインツとルクレールをあっさり交わすという展開が全く描けないわけでもない。これを擁護(1)としよう。
また、そもそもフェラーリは、ルクレールが18周目のピットストップ後にペレスの前に留まれると踏んでいたのだろう。後ろになると分かってピットストップすることは、流石にないと信じたい。これを擁護(2)とし、その妥当性を考えてみよう。
まずペレスはピットイン前と後では、ルクレールとの差が17.7秒(8.7→26.0)開がっている。一方でルクレールがピットに入る直前のプールサイドシケインでは、トンネルのペレスと21.3秒差だった。つまりピットロスを18秒と考えれば、ペレスがヌーベルシケインからサンデボーテまでで3秒稼ぎはしないだろうという読みだ。
しかし、これを崩した要因が3つある。
・ルクレールのセクター3が遅かった
・ピットストップが0.4秒遅かった
・ルクレールの停止と発進が悪かった
だ。
まず18周目のヌーベルシケイン付近でルクレールとサインツの差は6.0秒だった。しかし次のタバココーナーをサインツが通過するとその差は5.6秒に。リズムを失ったのかタイヤカスを拾ったのかは定かではないが、その後もタイムを失い続け、ラスカスでは4.7秒になっていた。つまりここでルクレールは、サインツ比で1.3秒ロスしている。
次にピットストップだ。これはペレスが2.3秒、ルクレールが2.7秒と0.4秒の差がついた。
最後の停止と発進は、当サイトで今シーズンから研究対象としている、「ボックスパフォーマンス」だ。残念ながら全員分ではないが、国際映像ではピットストップの時間が映し出される。また公式サイトではピットレーンの通過時間も公開されている。そこで当サイトでは
(ピットレーン通過時間)-(静止時間)
を計算し、ドライバー達の停止と発進のパフォーマンスを数値化することを試み、このタイムを「ボックスパフォーマンス」と定義している。表1に今回のボックスパフォーマンスを示す。
表1 モナコGPのボックスパフォーマンス
開幕6戦で圧倒的なスピードを見せてきたペレスだが、今回もハミルトンと接近こそしたものの、その他大勢には大きな差をつけた。インターへの履き替えのピットについて、比較対象のルクレールと共に黄色でマークした。また、近いタイミングでウェットからインターに履き替えたドライバーを緑色で記した。今回は路面コンディションの変化があるので、比較可能なデータで見る必要があるためだ。
ペレスはハミルトンと共にリカルドやノリスらを大きく上回った。さらにルクレールはあまり良くなく、ここで0.9秒もの差がついている。
※参考:過去6戦のデータは分析ページの各GPの「ピットストップ分析」より
以上、3つの要因を合わせると2.6秒ものロスがある。
2.1.3. 擁護論への反駁
しかし、擁護(2)のロジックもここまでだ。
ルクレールがピットから出てきた際にはペレスの3.9秒後ろだったため、上記の3要素が完璧だったとしても1.3秒差でアンダーカットされていたことになる。完全にペレスのインターでの速さを読み間違えたと言える。また当初の読みと違っても、ペレスのミニセクターのタイムを追っていれば、ラスカス付近で「ステイアウト!」とコールすることはできたはずだ。誰も見ていなかったのだろうか?それとも誰かが気づいていても、意思決定者に速やかに伝達する組織としての機能が備わっていないのだろうか?真相は不明だが、組織として何らかの改善が必要であることは確かだと思われる。
何れにせよ、1周5秒以上のアドバンテージがあるからこそ擁護(1)の「追いつかれる」「ルクレールもサインツも抜かれるかもしれない」という話になるわけで、ならばトンネルにいるペレスとの差が21秒差がホームストレートまでに3秒以上縮まるのは目に見えている。よってフェラーリの判断には前提条件との矛盾があるのだ。すなわち擁護(1)を支持するなら、ピットに入るのは1周早い17周目でないとおかしかった。
2.2.1. インターからドライへ(問題視編)
ルクレールは18周目にインターに交換したわけだが、僅か3周後にドライ(ハード)に交換している。それならウェットのまま引っ張った方が良いのは当たり前で、いくらインターのハイペースで飛ばしても、サインツの3.3秒後方まで来るのが精一杯だった。
ここでルクレールを入れたことの問題点は2つ。
③サインツが3.3秒前で入っているため、ピットでロス
④オーバーカットが有効な展開でレッドブル勢より先に入ってしまった
だ。
③は3.3秒がダブルストップに十分なギャップで無いことは明らかだ。
また、④に関してはウェットからドライに乗り換える展開では、後からピットに入った方が一旦は前でコースに戻ることが多いのはF1レースの定石だ。もちろんそれは、先に入ったドライバーはタイヤが冷えた状態でアウトラップのペースが遅いからであって、翌周入ったドライバーがアウトラップで同様に苦戦しているところを、先に入ったドライバーが抜き去る展開もまた基本の型だ。
しかし、ここはモナコである。タイヤが冷えていようが、一度前に出てしまえばまず抜かれることはない。よってオーバーカットが有効なのである。
2.2.2. インターからドライへ(擁護編)
まずは問題視編の③だが、この21周目が始まった段階ではルクレールはサインツの7.5秒後方にいた。よって、そこまで大きく詰まることを予想せずダブルピットを予定していたのかもしれないが、気づけば3.3秒。慌ててステイアウトの指示を出した、という可能性はあるかもしれない。これを擁護(3)としよう。
また④については「本当にオーバーカットは有効か?」という疑問を持った可能性はあるだろう。
「アウトラップの冷えたドライタイヤがどれだけ遅いか?」という問いに対して、フェラーリが参考にできるのは、18周目に入ったアルボンと19周目に入ったリカルド、ジョウらとの位置関係だ。
ここでアルボンは、ジョウのすぐ後ろでピットに入り、ジョウとリカルドは翌周ピットイン。出てくるとほとんどピット前と似たような位置関係になっていた。ならばより路面が乾いた2周後にはアンダーカットが強力になっている可能性はあるだろう。これを擁護(4)としよう。
さらにこれに関連して、19周目ピットのラティフィがドライタイヤ2周目のアルボンの1秒後方で復帰して、その周の終わりで4秒までしか開いていないという事実がある。よって冷えている状態でも万全のドライタイヤの3秒落ちで走れるなら、インター勢をアンダーカットできるのではないか?と思うのは理解できる。これを擁護(5)としよう。
そしてそもそもチェッカーまで最速で走り切ることができるのは、できるだけ早くドライタイヤに交換することだ。これが擁護(6)だ。
2.2.3. 擁護論への反駁
さて、上記の擁護論は何もかなり苦し紛れである。
擁護(3)については、繰り返し述べているように、インターが秒単位で速いことを前提に履き替えたわけだから、この周で追いつかないはずがない。それにタイミングモニターを見ていれば、その差がグングン詰まっているのは誰の目にも明らかだった。
擁護(4)については、リカルドとジョウはウェットタイヤだったことを加味する必要がある。アルボンのアンダーカットは「ハードvsウェット」だったのに対し、フェラーリ勢がやろうとしたのは「ハードvsインター」のアンダーカットだ。そして何度目になるか分からないが、インターは秒単位でウェットを上回っていた。
続いて擁護(5)だが、これはアルボンがラップの途中からアウトラップのリカルド&ジョウに引っかかってしまったことを加味しなければならない。そしてこれが「どれほど相手のタイヤが冷えていても抜けないモナコ」を証明しており、問題視編④の論拠となっている。
本質的な話として、問題視編④に対する擁護(6)はかなり苦しい。そしてこれがここ数年のフェラーリの問題の大きな部分であると筆者は感じている。
レースで採るべきなのは、最速でフィニッシュする戦略・戦術ではなく、ライバルより前でフィニッシュできる戦略・戦術だ。どんなに速く走れても、前を塞がれていれば特にモナコでは八方塞がりだ。
フェラーリは以前からあたかも1人で走っているかのような戦略を採用する傾向がある。先日のフジTV中継中に川井氏が揶揄した2012年スペインGPのアロンソの敗北などが際たる例だが、今年も開幕戦でルクレールを45周目にステイアウトさせた件で、そのDNAが継承されているのではないかとの懸念を覚えた。
レッドブルやメルセデスは、相手の動きを読み、自分達の速さを活かし切ることや相手を追い込むことを考えて、チェスの名人の如くレースを進めていく。シューマッハ時代のフェラーリもまさにその究極の形であったが、2008年以降のフェラーリはすっかり変わってしまったかのように見えてしまい、今後レッドブルとの激しいタイトル争いを戦い抜けるのか、若干の不安を覚えてしまう。
さて、ここまで「問題視」→「擁護」→「擁護への反駁」という形をとってきた事で、少しテーブルの上に情報が増えたのではないだろうか?一見すると正気を疑ってしまうような所もあるが、F1の世界で戦っているエンジニアたちはとてつもなく頭の良い人たちだ。
そうした人たちが組織となった時に、おかしな判断につながってしまうには何らかの理由がある。そこに目を向け、謎を紐解けると、レッドブルやメルセデスの凄さに感銘を覚えたり、チームスポーツの面白さに迫ったりできるのかもしれない。
3. ペレスのモナコ初制覇
サインツもルクレールと同様に21周目にドライタイヤへ。これをオーバーカットする形でペレスがトップに躍り出た。一度前に出てしまえば、もう決まり。それがモナコのレースだ。ペレスはそのまま逃げ切り、自身初のモナコでの勝利を挙げた。
ペレス自身はここを得意としており、2016年にはフォースインディアで3位表彰台を獲得している。ようやく結果に繋がり、価値あるモナコでの1勝に喜びもひとしおではないだろうか。また予選でフェルスタッペンを完全に凌駕したことも非常に価値あることで、ここから今年のタイトル争いに絡んできても不思議はない。
決勝結果は以下の通りとなった。
POS | DRIVER | CAR | LAPS | TIME/RETIRED | PTS |
---|---|---|---|---|---|
1 | Sergio Perez | RED BULL RACING RBPT | 64 | 1:56:30.265 | 25 |
2 | Carlos Sainz | FERRARI | 64 | +1.154s | 18 |
3 | Max Verstappen | RED BULL RACING RBPT | 64 | +1.491s | 15 |
4 | Charles Leclerc | FERRARI | 64 | +2.922s | 12 |
5 | George Russell | MERCEDES | 64 | +11.968s | 10 |
6 | Lando Norris | MCLAREN MERCEDES | 64 | +12.231s | 9 |
7 | Fernando Alonso | ALPINE RENAULT | 64 | +46.358s | 6 |
8 | Lewis Hamilton | MERCEDES | 64 | +50.388s | 4 |
9 | Valtteri Bottas | ALFA ROMEO FERRARI | 64 | +52.525s | 2 |
10 | Sebastian Vettel | ASTON MARTIN ARAMCO MERCEDES | 64 | +53.536s | 1 |
11 | Pierre Gasly | ALPHATAURI RBPT | 64 | +54.289s | 0 |
12 | Esteban Ocon | ALPINE RENAULT | 64 | +55.644s | 0 |
13 | Daniel Ricciardo | MCLAREN MERCEDES | 64 | +57.635s | 0 |
14 | Lance Stroll | ASTON MARTIN ARAMCO MERCEDES | 64 | +60.802s | 0 |
15 | Nicholas Latifi | WILLIAMS MERCEDES | 63 | +1 lap | 0 |
16 | Zhou Guanyu | ALFA ROMEO FERRARI | 63 | +1 lap | 0 |
17 | Yuki Tsunoda | ALPHATAURI RBPT | 63 | +1 lap | 0 |
| Alexander Albon | WILLIAMS MERCEDES | 48 | DNF | 0 |
| Mick Schumacher | HAAS FERRARI | 24 | DNF | 0 |
| Kevin Magnussen | HAAS FERRARI | 19 | DNF | 0 |
今季は結果が出ていることもあり、フェラーリのレースオペレーションに対する懸念の声はトーンダウンしていたが、筆者は前述のバーレーンに始まり、ジェッダ(SCで塞翁が馬となったが、本来はアンダーカットすべき&それを悟られないようにすべき)、メルボルンでのファステストラップの件など、結果が出ているのは単に幸運に過ぎないことを当サイトのレビューで指摘してきた。
重要なのは「(再現性がない)運」が含まれる「結果」ではなく、再現性があるプロセスの方だ。運は22戦を戦い試行回数を増やせば平均化される。その時に最終ランキングで笑うのは優れたプロセスを継続し続けた者だろう。
よってここまでの幸運で、フェラーリがレースオペレーションの問題点に気づくのが遅れてしまったとしたら、それはある意味では不運だったのかもしれない。まさに塞翁が馬である。
Writer: Takumi