タイヤ・燃料・ダーティエアや全力で走る必要性などの諸条件を考慮に入れ、レース全体でのペースの力関係について、定量的にわかる範囲で分析を行った。
今回の分析は管理人Takumiのディレクションと監修の元、ChatGPTが細かいタスクを行う形で進めた。
1. 方針と計算手順
- フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。スティントの長さも考慮し、同じスティントの長さを走った場合のペースを算出している。
- また、クリア・ダーティエアやスティントの長さ、プッシュするインセンティブなどのレース文脈も考慮している。また、スティントの始めに飛ばした際に後のペースに与える悪影響、ゆっくり入った場合の好影響についても加味した。定量的に導出できないドライバーについては結論を出さず、信頼できる数字のみを公開する方針としている。
- また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。
- また、分析対象はドライコンディションのみに限定している。(※各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より)
- 比較は2人ずつ。基本は同じスティントで同じタイヤを使用している者同士での素の平均ラップ差を取り、必要に応じてタイヤ年齢とデグラデーションの差を補正。
- 計算ルール(要点)
- 素の平均差:ΔT=Lap‾Other−Lap‾Piastri\Delta T=\overline{Lap}_{\text{Other}}-\overline{Lap}_{\text{Piastri}}ΔT=LapOther−LapPiastri(+は相手が遅い)
- タイヤ差補正(必要時):
Ctyre=DBΔL+(DB−DA)N2C_{\text{tyre}}=D_B\Delta L+\frac{(D_B-D_A)N}{2}Ctyre=DBΔL+2(DB−DA)N,
Cstint=(DB−DA)Savg2C_{\text{stint}}=\frac{(D_B-D_A)S_{\text{avg}}}{2}Cstint=2(DB−DA)Savg,
最終差 =ΔT−Ctyre+Cstint=\Delta T-C_{\text{tyre}}+C_{\text{stint}}=ΔT−Ctyre+Cstint(小数1位に丸め)
- 総合結果の計算方法:
2. 計算結果
第1スティント:フェルスタッペン(M)>ノリス(M) 0.1s
第1スティント:ノリス(M)=ピアストリ(M) 0.0s
第1スティント:フェルスタッペン(M)>ルクレール(M) 0.5s
第1スティント:フェルスタッペン(M)>ラッセル(M) 0.8s
第1スティント:フェルスタッペン(M)>ハミルトン(M) 0.6s
第1スティント:フェルスタッペン(M)>ボルトレート(M) 1.4s
第1スティント:フェルスタッペン(M)>コラピント(H) 1.5s
第1スティント:アルボン(H)>オコン(H) 0.3s
第1スティント:オコン(H)=ストロール(H) 0.0s
第2スティント:ルクレール(H)>ラッセル(H) 0.1s
第2スティント:ルクレール(H)=ハミルトン(H) 0.0s
第2スティント:ラッセル(H)>アントネッリ(H) 0.4s
第2スティント:アントネッリ(H)>ボルトレート(H) 0.3s
第2スティント:ボルトレート(H)=ベアマン(H) 0.0s
第2スティント:ルクレール(H)>コラピント(H) 1.0s
第2スティント:フェルスタッペン(H)>ルクレール(H) 0.4s
総合レースペース(最速からの差)
ミディアムスタート勢とハードスタート勢に分割した。
| 順位 | ドライバー | 最速からのギャップ |
| 1 | フェルスタッペン | 0.0 |
| 2 | ノリス | 0.1 |
| 3 | ピアストリ | 0.1 |
| 4 | ハミルトン | 0.5 |
| 5 | ルクレール | 0.5 |
| 6 | ラッセル | 0.7 |
| 7 | アントネッリ | 1.1 |
| 8 | ベアマン | 1.4 |
| 9 | ボルトレート | 1.4 |
| 10 | コラピント | 1.5 |
| 順位 | ドライバー | 最速からのギャップ |
| 1 | アルボン | 0.0 |
| 2 | オコン | 0.3 |
| 3 | ストロール | 0.3 |
グラフ(最速からの差)

所感/考察
- 序盤ではフェルスタッペンに遅れをとっていたノリスだったが、デグラデーションが小さく、第1スティントのトータルのペースではフェルスタッペンに迫る競争力を見せた。
- ピアストリはそのノリスよりもさらにデグラデーションが小さく、スティント後半にノリスとの差を詰めた。
- フェラーリは2台揃って互角のペース。予選でもルクレールとの差を0.117秒にとどめたハミルトンにフェラーリ適応の兆しが見える。
- アントネッリはラッセルに0.4秒差をつけられてしまった。ボルトレートやハジャーが印象的なパフォーマンスを見せる中で、苦戦が続いてしまっている。
6. インタラクティブグラフ
さて、これらの分析の背景情報を把握するには、各車のペースグラフとギャップグラフを見るのが有効だ。自身で、ラップタイム比較を可視化して確認したり、より深い洞察を行ったりしたい方には、こちらのグラフを使っていただければ幸いだ。
各車のペースグラフとギャップグラフをインタラクティブな形にしており、ボタン操作で見たいドライバーだけを表示できる。ラップタイムグラフにおいて、ダーティエアのラップ(前方2秒以内に他車がいる)は各データ点を白抜き、クリアエアのラップは塗りつぶしてあるため、レース文脈も把握しやすい。右上のボタンでダウンロードやズームなども可能だ。
ぜひ、ご活用いただきたい。
Lap Times
Gap to Leader
注意点:
ラップタイムグラフにおいて、ダーティエアのラップ(前方2秒以内に他車がいる)は各データ点を白抜き、クリアエアのラップは塗りつぶした。
Takumi, ChatGPT (GPT-5)