• 2024/11/21 17:39

カタールGPレースペース分析

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1. 分析結果と結論

 各タイヤごとの各車のレースペースの力関係を表1,2に示す。

表1 ミディアムタイヤでのレースペース

 

表2 ハードタイヤでのレースペース

 

 そして、ここまでを総合してレース全体でのレースペースの力関係を求めると、表3、図1のようになる。

表3 全体のレースペース

 

図1 全体のレースペース(visualized)

 

注意点

 ヒュルケンベルグはハードでのペースが極端に悪かったが、この数字は総合結果の算出には使わず、ミディアムでのペースを基準とした。その他にも、今回はペレスの第3スティント以降や角田の最終スティントなど、極端にペースが悪化する場面があった。これらについても、正常な値と考えず、全体のレースペースはこれらを含まない形で算出した。

 また、今回もフェルスタッペンは、付録のグラフからも分かるように、まだ余裕を持って走っていたと考えられる(算出方法は第1スティントの平均ペースのピアストリとの比較)。

レースペースを振り返って

 まず非常に印象的なのはレッドブル勢で0.7秒、アストンマーティン勢で1.1秒、アルファタウリ勢で0.8秒と、チームメイト間で大きな差がついたことだ。非常に難しいコンディションだったと考えられるが、暑さによる体力的な問題の影響はそこまで大きくなさそうだ。それは体力面の問題が出にくい予選でのタイムを見れば分かる。予選でもレッドブル勢で0.979秒、アストンマーティン勢で1.122秒、アルファタウリ勢で0.577秒の差が出ており、超高速のレイアウトや路面コンディションなどの影響で、差がつきやすい条件となっていたと考えられる。

 チーム毎の比較で言えば、やはりマクラーレンが優れており、メルセデスも肉薄していた。今季のハミルトンはレースペースではラッセルに対して9勝1敗と非常に優れており、ハミルトンが走っていた場合にマクラーレン勢相手にどんなレースを見せたのか気になる所だ。それ故に非常に非常に勿体ないことをしたと言えるだろう。

 また、ウィリアムズまでの上位チームと、アルファタウリ以下の下位チームという形で二極化してしまったのも今回の特徴だろう。図1を見れば視覚的にも明らかだ。

2. 分析方法について

 フューエルエフェクトは0.07[s/lap]とし、グラフの傾きからデグラデーション値を算出。タイヤの履歴からイコールコンディションでのレースペースを導出した。また、クリア・ダーティエアやレースの文脈も考慮している。

各ドライバーの使用タイヤはピレリ公式より

 また、スティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよいと考え、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

 今回は予選で使用したソフトと新品ソフトの差、スクラブ済みと新品のミディアム・ハードの差は無視することとした。

3. 付録

 参考までに、分析に使用したグラフを添付する。

Writer: Takumi