今回はカナダGPのFP2で行われた各車のロングランを分析し、現段階で見えてくる各車の力関係を詳らかにしていこう。
まず図1にミディアムタイヤを履いたドライバーのロングランペース比較を示す。なお、視認性の都合上2つに分割した。ガスリーは両グラフに共通とした。
図1-1に着目すると、上位勢はほぼ団子状態だが、デグラデーションの少なさからフェラーリとレッドブルがやや抜けていると見て良いだろう。
また図1−2より、アルボンもガスリーからさほど遠くないペースを見せている。ボッタスはやや遅れており、マグヌッセンの大きな遅れは気になるところだ。
また角田はガスリーを上回るペースを見せているが、そのままフェラーリやレッドブルなみと考えるよりは、第2スティント前提の燃料搭載量であったと考える方が現実的だろう。フューエルエフェクトを0.05[s/lap]とすると、20周で1.0秒相当となるが、この段階では詳細な燃料搭載量までは分からず、アルファタウリの競争力は決勝で蓋を開けてみるまでのお楽しみとなりそうだ。
続いてソフト勢の比較を行う。
両者ともペースが上下しているため評価しづらいが、互角かややアロンソ優勢といった所だろう。
現段階で言えることは限られてくるが、今回は上位勢が接近しており、場合によってはレッドブル、フェラーリ、メルセデス、アストンマーティン、アルピーヌ、マクラーレンの6強の構図も見えてくるだけに、非常に楽しみだ。またグラフは割愛するがフェルスタッペンとルクレールは共に互いのチームメイトを0.4秒ほど上回っており、壁に囲まれた公道サーキットでドライバーが生み出す差にも注目のカナダGPとなりそうだ。
Writer: Takumi