17年ぶりに高速の最終セクションが戻ってきたスペインGP。今回もFP2にて各車がロングランを行った。現段階で見えてくる各車の力関係を、グラフを交えて紐解いてみよう。
まず図1にソフトタイヤを履いたドライバーのロングランペースを示す。なお、視認性の都合上2つに分割した。
フェルスタッペンがずば抜けているように見えるが、ソフトでのロングランの前にミディアムでのロングランも行っており、2つのランの間では給油を行っていなかった模様で、すなわち11周分燃料が軽くなっていたことになる。フューエルエフェクトを0.06[s/lap]とするとこれは0.7秒に相当するため、フェルスタッペンを0.7秒分下げたグラフを図3として示す。
フェルスタッペンの走り始めは、ルクレールと互角だ。その後の推移がやや異なる傾向を示しているが、最後にフェルスタッペンがペースを上げて終えているのに対し、ルクレールのタイムは落ちている。このことから、フェルスタッペンがマネジメントしながら走っていた一方で、ルクレールが飛ばし気味だった可能性が考えられ、やはりフェルスタッペンの方が現状ではリードしているように見える。それでもその差はそこまで大きくなさそうだ。
アロンソは周回数が比較的少なく読み取りづらい。7周目以降の推移次第で、ルクレールと互角と考えるかフェルスタッペンに対抗しうると考えるか判断が分かれるだろう。
ラッセルは走り始めは速くないが、タイムの落ちが緩やかだ。トータルで見ればルクレールと近いところにいると考えられる。
ガスリーはラッセルからやや落ちるが比較的接近している。図2を見ればヒュルケンベルグもそう遠くない。角田については走り始めのスローペースが気になるが、その後のペースではヒュルケンベルグを上回っており、中団上位を争うポテンシャルはありそうだ。
続いてミディアムタイヤを履いたドライバーのロングランペースを示す。
こちらもハミルトンが7周分軽い状態と思われる。グラフの補正は割愛するが、ハミルトンのタイムを0.4秒ほど下げて見るべきだろう。その前提で考えると、走り始めはフェルスタッペンと差がついているが、4,5周目のペースはかなり接近している。その後の推移次第ではそう悪くないペースと言えるだろう。
マグヌッセンとデ・フリースは終始接近したペースを見せており、ソフトでのヒュルケンベルグと角田の力関係と比較すると、今回はデ・フリースも角田と同じようなレベルで走れている可能性が高そうだ。
総じて言えば、土日は雨の予報も出ているが、ドライならば各所で接近した闘いが見られそうだ。
Writer: Takumi