今回はオーストラリアGPのFP2における各車のロングランペースを分析していこう。図1に多くのドライバーが選択したミディアムタイヤでのペース比較を行う。基本的に、各チームの安定して速かった方のドライバーを、両ドライバーでアプローチの異なったマクラーレンのみ2台とも載せている。なお、視認性に配慮し、2つに分割した。
ルクレールが最速、ノリスやストロール、ピアストリらが僅差で続くと考えて良いだろう。ピアストリは走り始めは速いが、デグラデーションが大きい。ノリスはデグラデーションを抑える方向で進めており、マクラーレン勢はチーム内でタイヤマネジメントに対するアプローチを分けて効率的なデータ収集に励んだと思われる。ペレスはピアストリと同じようなデグラデーションの傾向だが、ピアストリよりも明確に遅れをとった。いずれにしても、上位勢のペースは非常に接戦で、レース展開次第では4チーム8人のドライバーにチャンスが生まれてきてもおかしくない。
メルセデスは完全に中団に沈んでおり、中団で最速だったボッタスと互角だ。また今回のアルピーヌはライバルたちと戦えるレベルにあるように見える。RBも出だしは遅いものの、デグラデーションが小さく、このまま周回数を重ねていった際の推移を想像すれば決して悪くはないだろう。一方でハース勢はFP2の時点では苦戦しているように見受けられる。
DRSによって追い抜きが簡単になった一方、DRSが無いと非常に抜きにくいサーキットでもあるため、決勝ではDRSトレインによるダーティエアの影響が大きくなることが予想される。その中で各チームが如何にポテンシャルを最終順位に結びつけてくるか、非常に楽しみな日曜日となりそうだ。
Writer: Takumi