• 2024/4/29 13:57

サウジアラビアGP FP2ロングラン分析

Bytakumi

3月 8, 2024

 今回はサウジアラビアGPのFP2における各車のロングランペースを分析していこう。まずは図1に多くのドライバーが選択したミディアムタイヤでのペース比較を行う。各チームの安定して速かった方のドライバーを載せている。

図1 ミディアム勢のロングランペース

 フェルスタッペンが最速だが、サインツやラッセルも序盤は抑えめに入ってその後タイムを上げている。特にサインツのタイムの推移は興味深く、レースでフェラーリが優勝争いに加わっても驚きではない。

 第2グループとしては、アロンソが続き、ピアストリはジョウと同程度と今ひとつだ。特筆すべきはガスリーでこの数字を見る限りは今回は中団上位を戦う力がありそうに見える。

 続いてソフト勢とハード勢のペースを図2,3に示す。

図2 ソフト勢のロングランペース
図3 ハード勢のロングランペース

 RBは2台でタイヤマネジメントのアプローチを変えてきたようで、貴重なデータを得られてたかもしれない。ルクレールから約1.0秒落ちのマグヌッセン、そこから0.2秒ほど遅れる角田という具合で、今回も激しい中団争いが展開されるだろう。

 ハード勢に着目すると、ノリスとの差で考えればヒュルケンベルグやボッタスの位置が自然に見える。逆にいえばアルボンのペースがかなり速く、かといって第2スティント前提の燃料搭載量とも思えない(フューエルエフェクトを0.08[s/lap]とすると、15周軽いと1.2秒速い)ため、今回のウィリアムズはレースで競争力がある可能性が高い。

 また、タイヤに関しては、グラフは割愛するが、フェラーリ勢やハース勢の傾向からソフトタイヤが優れたタイヤに見える。ライフさえ持てば(SC出動を考えると引っ張れるようにしておきたいので難しい所だが)スタートではソフトタイヤを選ぶチームも多くなりそうだ。

 例年のジェッダの傾向として、SCが出た所で多くのマシンがピットに入る展開が今回も繰り返されるかもしれない。特に今年の混戦模様の勢力図では、DRSトレインが多数形成され、順位変動が起きにくくなることが予想されるため、予選の重要性とともに、SCまでピットストップを伸ばすこと、それを可能にするためのタイヤマネジメントが求められるだろう。

Writer: Takumi