今回はバーレーンGPのFP2における各車のロングランペースを分析していこう。全車がソフトタイヤでロングランを行ったため、比較は非常にシンプルだ。図1に各チームの速かった方のドライバーのペースを示す。
ライバル勢が軒並み右肩下がりの傾向となる中で、フェルスタッペンのデグラデーションの小ささが光る。現状ではライバルに大きく先んじていると言えるだろう。
続いたのは、ラッセルとルクレールで、以下ノリス、アロンソと続く。リカルドとボッタスは互角のようだが、6周目付近から差がつき始めており、RBの方が良いと言えるだろう。
昨年はFP2のロングランの時点でグラフが下方に沈んでいることが多かったハースだが、今回はヒュルケンベルグがRBやザウバーと戦えそうな兆候を示している。
離されてしまったのがウィリアムズとアルピーヌで、特にアルボンは13番手スタートとなるため、後方勢にとって壁になる可能性がある。その前方に大きな空間ができれば、トップ争いの戦略面にも影響が出てくるだろう。
また、グラフは割愛するが、チームメイト同士でも、ペレスは最初に飛ばしてその後フェルスタッペンより0.4秒ほど遅いペース、ピアストリもハイペースで飛ばしてノリスよりデグラデーションが大きい傾向などがあり、チーム内で効率的にデータ収集に励んだようだ。
FP2のロングランでの力関係は、6~7割決勝でのレースペースと整合性が取れる印象だが、逆に言えば、いくつかのチームは周囲よりも大きな改善を遂げて勢力図を覆してくる。決勝レース、蓋を開けるまで楽しみが尽きない開幕戦となりそうだ。
Writer: Takumi