F1は伝統のシルバーストーンへとやってきた。今回もFP2にて各車がロングランを行ったため、こちらのページではそのペース分析を行なっていこう。
まず図1にソフトタイヤを履いたドライバーのロングランペースを示す。なお、視認性の都合上2つに分割した。
1. ソフトタイヤでの力関係
ペレスとハミルトンが似たり寄ったりのペースで進むが、途中からはペレスのタイムが落ちており、トータルで見ればハミルトンの方が速い。またガスリーも大差なく続いており、アロンソはやや水を開けられている。さらに遅れてサインツとピアストリが続いている状態だ。
角田はそのピアストリと互角程度、ジョウは走り始めは互角だがデグラデーションが大きい傾向となった。
2. ミディアムタイヤでの力関係
続いてミディアムタイヤを履いたドライバーのロングランペースを示す。
まず、ペレスは13周、サインツは10周、ラッセルは5周分、ロングラン開始時より軽くなっていることに注意したい。フューエルエフェクトを0.07[s/lap]とすると、ペレスは0.9秒、サインツは0.7秒、ラッセルは0.4秒相当速くなっているはずだ。
それらを加味する(各々グラフを下に落として見る)と、やはりペレスとラッセルは僅差と言えるだろう。ただし、ソフトではハミルトンがペレスをややリードしていたのに対し、こちらではペレスがラッセルよりも少しだけ速そうだ。
そしてサインツはそのラッセルから少しだけ遅れた所にいると見ることができるだろう。また、中団のオコン、ボッタス、サージェントはそこから離れたところでかなり接近しているようだ。
3. ハードタイヤでの力関係
続いてハードタイヤについて見ていこう。
ノリスが最速なのは間違いなさそうだ。ストロールは走り始めは悪くないが、デグラデーションが大きい。タイムが落ちないアルボンの方が総合的には上かも知れない。またヒュルケンベルグはかなり長いランを行なったが、タイムは落ちていない。
4. タイヤの比較
ソフト、ミディアム、ハードの3種類の関係を見ていこう。
図5と図7を見れば、ソフトが厳しいことはなんとなく見て取れるだろう。一方で図6を参照する限り、ハードとミディアムに大差はないように見受けられる。
その前提で、ハードのノリスのラップタイムをミディアム勢の図3に当てはめると、ラッセルやサインツを上回り、ペレスとも良い勝負のペースとなる。2番手スタートから表彰台、あわよくばピアストリと共にフェルスタッペンにプレッシャーをかける所まで行く可能性も期待できそうで、レースが楽しみになりそうだ。またレースペースが良さそうなメルセデス勢、特にハミルトンがどこまで追い上げてくるかも注目ポイントだ。
Writer: Takumi