• 2024/11/21 22:51

フランスGP FP2ロングラン分析

Bytakumi

7月 23, 2022

※7/23 15:35加筆(ページ最下部)

 フランスGPのFP2が行われ、各車がロングランに励んだ。本ページでは、各車のロングランデータから可能な限りの情報を引き出してみよう。尚フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とした。

1. 各チームのロングラン比較

 まずはトップ3チームを比較する。

図1 トップ3チームのロングラン(全車ミディアム)

 フェルスタッペンがやや抜けており、ルクレールが続いて、サインツとペレスがやや離される形となっている。ただし、フェルスタッペンは4周目にスローラップを挟んでの5周目の好タイムであるため、通常のペースで走行し続けた場合にどうなったのかは今ひとつ不明だ。

 一方ルクレールは、4~7周目にタイムを落としているのが気がかりだ。イモラのスプリント、マイアミの決勝レースのような展開は避けたいだけに、問題解決が急務となるだろう。ルクレール自身は「どこを改善すべきかは分かっているので、日曜のレースまでには準備万端になっていると確信している。」とのことだ。

 また、ラッセルのタイムの推移がややトリッキーだが、ハミルトンで見ればレッドブルとフェラーリには届いていない。今回のメルセデスはシルバーストーンやモントリオールほどの競争力は無いように見える。

 続いては中団勢を見てみよう。視認性の都合上2つに分けた。また両グラフともベンチマークとしてサインツ(トップチームで最も安定した推移)を併せて示した。

図2-1 中団勢のロングラン1(全車ミディアム)
図2-2 中団勢のロングラン2(全車ミディアム)

 アロンソとベッテルが中団の最上位を争うペースを見せた。ベッテルはルクレールと似たような形で、5,6周目にペースがやや落ちている。

 またアルボンを見る限り、今回もウィリアムズはそこそこの位置で戦えそうだ。アロンソやベッテルには及ばないまでも、マクラーレンやアルファタウリとは戦えそうなペースを見せている。

 やや心配なのはハースとアルファロメオで、ペース的には少し遅れを取っている。

 続いては、ミディアムとハードのタイヤ比較を見てみよう。

図3 ミディアムとハードの比較

 こちらの2チームは、ベッテルとアルボンがミディアム、ストロールとラティフィがハードと、役割を分担してきた。

 これを見る限りは、ハードがミディアムより優れたレースタイヤには見えない。走り始めのタイムも変わらず、デグラデーションにも特別大きな違いは無さそうだ。

 ちなみにフェルスタッペン(3周目)とルクレール(4~7周目を除く)のデグラデーションは0.15[s/lap]程度、安定した傾向のサインツで0.13[s/lap]だ。昨年のレースではグラフが横ばい(デグラデーション0.06[s/lap])に近くなるドライバーが多かったが、レースでマネジメントが入ってどの程度の数値になるか興味深い部分だ。

 フランスGP予選はこの後日本時間23:00から行われる。

〜〜〜〜〜〜以下加筆〜〜〜〜〜〜

 サインツのグリッド降格が決まっているため、決勝でのロングランはややフェルスタッペン有利と考えられる。レッドブル勢はどれだけロングラン重視のセットアップに振ろうとも2−3番手グリッドを確保できる一方で、ルクレールとしては予選を犠牲にしてペレスの後ろからスタートすることだけは避けたいからだ。

 フェラーリとしてはレッドブルがレース重視にしてくることを読んで、同様にレース重視のセットにするという手もあるが、如何せんフェルスタッペン、ペレス、ルクレールの順になってしまう可能性を過小評価するのはあまりにリスキーだ。

 逆にレッドブルとしてはペレスを予選重視、フェルスタッペンをレース重視にする、といった作戦も考えられる。やはりレッドブルの方がこのゲームを有利に進められそうなのは確かだろう。

 予選で各々がどんなスピードを見せ、それが決勝ペースにどう繋がってくるのか?ライバルとの相対関係で予選-決勝バランスを最適化しなければならない中で、フリー走行で各々がどれだけ手の内を明か素のか?明かさないのか?非常に興味深い週末となりそうだ。

Analyst: Takumi