※13:02加筆:ノリスのフューエルエフェクトについて
ハンガリーGPのFP2が行われ、各車がロングランに励んだ。本ページでは、各車のロングランデータから可能な限りの情報を引き出してみよう。尚フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とした。
1. 各チームのロングラン比較
まずはミディアムタイヤを履いたドライバーについて、トップ2チームと中団上位で比較する。
ルクレールが頭一つ抜けた速さを見せている。フェルスタッペンとは0.3~0.4秒ほどの差があるように見え、フェルスタッペンの「ドライだと苦戦するだろう」というコメントからも、現状ではこれが真の力関係と考えられる。
フェラーリ&レッドブルに続いたのは、アルピーヌのアロンソとアストンマーティンのベッテルだ。特にベッテルはタイヤの持ちも良く、今回のアストンマーティンはかなり競争力がありそうだ。
続いて中団勢についてみていこう。
なんとラッセルはアロンソ、ベッテルに及ばないどころか角田やボッタスともどっこいどっこいという状態だ。ハミルトンが走れていないというのもあるが、今回のメルセデスは現状では完全にセットアップを外してしまっている。土日に向けてどう立て直してくるのか注目が集まる。
マグヌッセンは(グラフは割愛するが)シューマッハよりかなり速いペースだが、如何せんハースの競争力が厳しそうだ。中団勢の中でも取り残されてしまっている印象がある。
2. タイヤによる差
続いてはソフト、ミディアム、ハードについて見ていこう。
まずノリスはハードとソフトを両方試しており、ソフトにはやや大きなデグラデーション(0.23[s/lap]程度)が見られるが、絶対的なペースが速く、決勝でマネジメントして走れば、使えそうなタイヤに見える。
※13:02加筆:ノリスはソフトに変えた際に給油をせずそのまま出て行っているので、7周分(0.4秒相当)差し引いて見る必要はある。
同じことがルクレール(M)とサインツ(S)、そしてベッテル(M)とストロール(S)の比較でも言える。ソフトのサインツやストロールのペースは、ミディアムのルクレールやベッテルと比べても互角のペースを示しており、尚且つデグラデーションの点でも似たような推移を示している。
オーバーテイクが難しい点、スタートからターン1までの距離がそこそこある点を考慮すると、ソフトでスタートして序盤はペースを抑えてマネジメントするという手も有力な選択肢になってくるかもしれない。
ここはターン1(強いて言えばターン2や4まで)を抜けてしまえば、相当遅く走っても抜かれることはない。加えてタイヤが残っていれば最後の2つのコーナーで突き放しやすく、ターン1でもオーバーテイクはかなり難しいだろう。今年のマシンでいくらか抜きやすくなるとは言え、このコース特性を踏まえて各チームがどんな戦略に出てくるか興味深いレースとなりそうだ。
Writer: Takumi