• 2024/11/22 00:34

日本GP FP3ロングラン分析

Bytakumi

10月 8, 2022

 日本GPのFP3が行われ、各車がロングランに励んだ。本ページでは、各車のラップタイムから金曜午後の時点でのチームやドライバー、タイヤのパフォーマンス等について掘り下げてみよう。尚フューエルエフェクトは0.08[s/lap]とした。

1. 各チームのロングラン比較

 まずはソフトタイヤを履いたドライバーについて比較する。

図1 ソフトタイヤでのロングラン

 レッドブル勢が最も遅く、このことからも燃料搭載量がまちまちだったことが容易に想像できる。サインツとは平均1.1秒のペース差があり、これはフューエルエフェクト上14周分相当の数字だ。レッドブルが満タンだとすればフェラーリは第2スティント前提の燃料を積んでいた可能性があり、満タンよりも14周分軽ければレッドブルと互角、2ストップで均等割の18周分軽ければレッドブルの方が0.2秒ほどアドバンテージを握っていた計算になる。

 またレッドブルの中ではフェルスタッペンがペレスを全周回で上回っており、やはり今回もフェルスタッペンがエースとしてスピードを見せつけることになりそうだ。

 サインツはノリスやベッテルからは明確にリードしているものの大差ではない。特にベッテルは走り始めこそ差があるもののデグラデーションが小さい傾向となっている。

 続いてミディアムタイヤを履いたドライバーについて比較する。

図2 ミディアムタイヤでのロングラン

 ルクレールとオコンが互角でラッセルがそこに続く傾向となっている。このことからも燃料搭載量の違いが想像できる。

 図4にて後述するがルクレールとサインツはタイヤ違いで似たり寄ったりのペースとなっており、この2人は同等の燃料搭載量であった可能性が高い。よってルクレールが第2スティント前提のランだとすれば、オコンは第3スティント前提かもしれない。2ストップで均等割の18周分オコンが軽いとすれば1.4秒相当のアドバンテージであるため、それでいてタイムが互角ということはルクレールとは1.4秒程度の差があるということになる。あるいは1ストップ前提でルクレールより9周(均等割で27周目)軽くしていたとすれば、0.7秒に相当する。最近のパフォーマンスを見る限りはこちらの方があり得そうな数字だ。

 角田のタイムの出し方が不規則であるため解釈は難しいが、終盤の4周を左に4周分(スローラップの数)並行移動するとオコンと互角と言えそうだ。オコンが軽いと思われるため、これはかなり競争力のある数字と考えられる。

 またアルボンやボッタスはサインツやラッセルからの差を見る限り、彼らと同じく第2スティント前提の燃料搭載量に見える。

図3 ハードタイヤでのロングラン

 ノリスが最速のペースで、アロンソが0.3秒ほどの差で続いた。

 グラフは割愛するがアルピーヌではタイヤ違いとはいえアロンソの方が速い。よって燃料搭載量はアロンソもオコンと同程度の軽めと想像できる。ノリスも同等の燃料搭載量ならば、かなり競争力がある可能性が高い。ただし、アロンソが1ストップ前提の第2スティント、ノリスが2ストップ前提の第3スティントの燃料でノリスが9周軽かったとすると0.7秒程度のアドバンテージがあり、この場合はアロンソが実質的には0.4秒ほど上回ることになる。

2. タイヤによる差

 続いてソフトとミディアムの比較をフェラーリ勢で見てみよう。

図3 サインツ(S)とルクレール (M)のロングラン

 前述の通り2人で同じようなペースト推移を示している。ただし、9周目あたりからはルクレールの方が速そうで、やはりミディアムの方がデグラデーションでは優れていそうだ。

Writer: Takumi