アブダビGPのFP2が行われ、各車がロングランに励んだ。本ページでは、各車のラップタイムから金曜午後の時点でのチームやドライバー、タイヤのパフォーマンス等について掘り下げてみよう。尚フューエルエフェクトは0.07[s/lap]とした。
1. 各チームのロングラン比較
まずは最も多く使われたミディアムタイヤを履いたドライバーについて比較する。
フェルスタッペンが最速で、ラッセルは走り始めは良いものの、比較的大きなデグラデーションの傾向を示した。
サインツは途中でペースダウンしたことでタイヤを休められた影響があると思われるが、フェルスタッペンには届いていないと読むのが自然だろう。またグラフは割愛するが、ルクレールはサインツよりも悪いペースだった。
一方、中団勢ではオコンが最速で、ベッテルはラッセルと同じようにデグラデーションの大きな傾向を示した。またガスリーの周回数は少ないが、初めの3周のペースは悪くなく、少なくともハース、アルファロメオよりは上になりそうだ。
続いてソフトタイヤを履いたドライバーについて見ていこう。
アロンソが最速だが、ノリスも非常に接近している。ガスリーも5周目以降の落ちが気になるが、それまではノリスと互角で走れている。一方ストロールは水を開けられてしまっている。
続いてハードタイヤについても見ていこう。
ボッタスはペースダウンしてタイヤを休めてから3周角田を上回ったが、文脈を考えると角田の方が上と見るべきだろう。アルボンも角田のペースには届いておらず、マグヌッセンはミディアムのシューマッハ同様、こちらでも抜本的な問題解決が必要な状況に見える。
図1,2のガスリーの状況も踏まえると、今回のアルファタウリは競争力がありそうだ。
2. タイヤによる差
続いてソフトとミディアムの比較をアルピーヌ、アストンマーティン勢で見てみよう。
チームメイト同士でタイヤを分けた2チームで見ると、この短い周回数でもミディアムの方が優れたレースタイヤであることが見て取れる。シーズンを通してアロンソがオコンより0.4秒ほど速いことも踏まえると、ソフトはかなり厳しい可能性が高い。
ではハードタイヤについてはどうだろう?
ボッタスとジョウの差はシーズンを通じて大きいことも踏まえる必要があるが、それでもハードは優れたレースタイヤであるように映る。ハース勢のペースは今季を通じて接近しており、この二者が互角であることからもミディアムとハードを互角のレースタイヤと捉えて考えておくのが無難ではないだろうか。
Writer: Takum