イタリアGPのFP2が行われ、各車がロングランに励んだ。本ページでは、各車のラップタイムから金曜午後の時点でのチームやドライバー、タイヤのパフォーマンス等について掘り下げてみよう。尚フューエルエフェクトは0.06[s/lap]とした。
1. 各チームのロングラン比較
まずはミディアムタイヤを履いたドライバーについて比較する。視認性の都合上2つに分割した。
フェルスタッペンがサインツに明確な差をつけている。ただし今季ルクレールはレースペースでサインツに全勝で、平均0.4秒速い傾向がある。これを加味してサインツのグラフを0.4秒上に平行移動するすると、フェルスタッペンとルクレールはデグラデーション次第では接近した争いになるかもしれない。
またアロンソは非常に競争力があり、前戦に引き続き中団最上位というよりもトップチームの後方に接近しつつある。ノリスとハミルトンは同程度で、アロンソからは水を開けられてしまっている。
図1−2に目を向けると、今回の角田はかなり競争力があり、ハミルトンやノリスと互角のレベルにある。またマグヌッセンは中盤ガタついているため分かりづらいが、角田とストロールの間ぐらいのペースと見て良いだろう。
続いてソフトタイヤを履いたドライバーたちについて見てみよう。
ルクレールが頭一つ抜けた速さを見せている。ラッセルが続くが、やはりこちらでもガスリーがラッセルに接近し、このサーキットでのアルファタウリのペースの良さが光る。ボッタスとリカルドは近いペースのようだが、ベッテルはやはりミディアムのストロール同様水を開けられており、アストンマーティンはここでは厳しいのかもしれない。同じくローダウンフォースのスパで好ペースを見せたことから、車の素性として相性が悪いとも思えず、セットアップ面で解決して来られるか否かに注目が集まりそうだ。
2. タイヤによる差
続いてソフトとミディアムの比較をフェラーリ勢で見てみよう。
最初はソフトに明確なアドバンテージがあるが、10周もしないうちにタイムが逆転するような傾向だろうか。ただし、図1や図2を見ると、ミディアムでは多くのドライバーがおおよそグラフが横ばいで、デグラデーション0.06[s/lap]相当となっている一方で、ソフトでもボッタスとリカルドは0.06[s/lap]のデグラデーションに抑えている。ベッテルのデグラデーションは大きいが、ミディアムのストロールも大きいため、今ある数値だけからはソフトの方が明確に厳しいとも言いにくい。
続いてはミディアムとハードの比較について見てみよう。
ラティフィがアルボンよりも優れたペースを見せていることからも、少なくとも10周以下の長さであればミディアムの方が優れたタイヤと言えそうだ。またハードでもデグラデーションが特別小さいという状態には見えないため、ハードタイヤが優れたレースタイヤには映ってこない。
決勝レースはこの後日本時間22:00からスタートする。
Writer: Takumi