今回はシンガポールGPのFP2における各車のロングランペースを分析していこう。
1. ミディアムタイヤでの力関係
まず図1にミディアムタイヤを履いたドライバーのロングランペースを示す。なお、視認性の都合上2つに分割し、アロンソとローソンを両グラフ共通のドライバーとした。
上位勢ではアロンソ、ハミルトン、ペレスが横一線のようだ。グラフは割愛するが、今回はペレスがフェルスタペンを上回っており、フェルスタッペンが普段通りペレスに差をつけて来られるか否かが、レッドブルとライバルチームの力関係を決めることになるだろう。
そして興味深いのは、上位3人に続いたのがルクレールとローソンという点だ。図1−2からもローソンのペースは中団下位勢に大差をつけており、今回のアルファタウリの競争力には期待が持てそうだ。
2. ソフトのノリスが未知数
続いてアロンソ(ミディアム)とノリス(ソフト)のロングランペースを示す。
ノリスはアロンソと互角かやや上回っているとも読めるだろう。ただし、ノリスはソフトタイヤであり、今回のFP2のデータからはミディアムとソフトの性能差を定量的に導き出すのは難しい。ハース勢が2種類のタイヤを試しており、ミディアムのヒュルケンベルグが0.3秒ほど速いペースを見せたが、それをどこまで信頼して良いかはかなり疑問符が残る。
仮にミディアムの方が速いならば、ノリスにとっては初優勝のまたとないチャンスだろう。あるいは、ソフトとミディアムの性能差がさほど無く、レッドブル勢、アロンソ、ハミルトン、ノリスらのペースが拮抗してくると、レースは戦略的要素が勝敗を決するエキサイティングな展開になるかもしれない。
Writer: Takumi