• 2024/11/22 00:18

【FP2ロングラン分析】

Bytakumi

4月 23, 2022 ,

 エミリア・ロマーニャGPのFP2では各車がロングランに励んだ。今回は数時間後にスプリントレースを控えてのフリー走行であり、各チームがスプリントレースでのタイヤ選択を判断するための走行に重きを置いていたように見受けられる。

 決勝レーススタート時とスプリントレーススタート時の燃料搭載量の差は、ラップタイムにして2秒前後になると考えられるため、ラップタイムから各車のロングランが決勝を見据えたものなのか、スプリントレースを見据えたものなのかは分かり易い。

1. スプリントレース前提のロングラン

 では、図1にスプリントレース前提と思われるドライバーたちのロングランペースを示す。

図1 上位勢のロングラン(スプリントレース前提)

 ルクレールとハミルトンがソフト、ペレスとサインツはミディアムだ。

 走り始めはペレスが頭一つ抜けているが、後半でドロップオフが見られ、ソフトのルクレールと同じようなタイムの推移となっている。一方で同じくミディアムのサインツは後半からタイムを上げている。サインツはマネジメントしていたのに対し、ペレスは全開で飛ばしてデータを採っていたのかもしれない。

 ハミルトンもそれなりに競争力がありそうだが、終盤のドロップオフはいわゆる崖に近い。スプリントレースでピットストップを行うと後方に沈む可能性があるため、マネジメントしても最後まで持つか怪しいならばソフトタイヤを選ぶのはリスキーかもしれない。最終コーナーリバッツァのコーナリングスピードが鈍れば、比較的あっさり抜かれてしまであろうことも考慮する必要がある。

 次に中団勢のグラフを見てみよう。

図2 中団勢のロングラン(スプリントレース前提)

 ガスリーとアルボンがミディアム、他はソフトタイヤだ。

 中団勢ではガスリーが高い競争力を見せている。グラフは割愛するが、アルファタウリは角田とガスリーの2人ともスプリント前提のロングランをソフト・ミディアム両タイヤで行っており、ソフトでもミディアムでも、そしてガスリーも角田も近い速さで、高い競争力を示していた。

 ジョウが続き、アルボンやシューマッハのペースも良い。オコンが少しだけ離され、ストロールは厳しそうだが、少しマネジメントが入っているのか、スティント後半にやや期待が持てる推移だ。

2. 決勝レース前提のロングラン

 続いて決勝レース前提のロングランを見ていこう。

図2 上位勢のロングラン(決勝レース前提)

 ルクレール、アロンソはミディアム、サインツはソフトだ。フェルスタッペンは両方のタイヤで似たようなペースで走っており、2本の線に分けて示した。

 まずフェルスタッペンが何をやっているかが気になるところだ。フェルスタッペンのペースはスプリント前提のペレスよりも1秒以上遅く、フェルスタッペンがスプリントレース前提のランだった可能性は限りなくゼロに近いだろう。

 かといって、このグラフを見てフェラーリ勢と近い条件だったと考えるのは無理がある。よって第2スティントを前提としたロングランだったのではないかと筆者は推測する。

 フューエルエフェクトを0.06[s/lap]とすると、25周分重い場合1.5秒程度に相当する。こうなるとルクレールとフェルスタッペンの差は腑に落ちる。今回もフェルスタッペンとルクレールの2人は接近した競争力を有しているのではないだろうか?

 アロンソのペースはフェルスタッペンの2秒落ち程度から始まり、徐々にペースアップして10周もすれば1秒程度の差になりそうだ。アルピーヌは通常フェラーリやレッドブルから1秒、もしくはそれ以上遅れる。これもフェルスタッペンと同程度の条件だったと考えるのが自然ではないだろうか?

 スプリントレースはこの後23:30から行われる。フェルスタッペンvsルクレール、そしてペレスやサインツはどこまで順位を上げられるか等々、それなりに注目点の多いスプリントとなりそうだ。

Analyst: Takumi