• 2024/11/21 17:47

2022年シンガポールGP レースペース分析

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1. 分析結果と結論

 先に分析結果を示す。分析の過程については次項「2. レースペースの分析」をご覧いただきたい。

 まず表1にインターミディエイトタイヤでのレースペースを示す。

表1 インターミディエイトでのレースペース

 ウェットコンディションでは6台のみ定量的比較が可能だった。やはりトップ2がずば抜けており、その他も見た目通りの数字だ。

 定性的な比較としては以下の結論を導くことができる。

・ハミルトンはサインツより速い
・フェルスタッペンはノリスより速い
・ベッテルはガスリーより速い
・ストロール、リカルド、シューマッハ、オコン、ボッタス、ラッセルは角田より速い
・角田はアルボンより速い

 続いて表2にミディアムタイヤでのレースペースを示す。

表2 ミディアムタイヤでのレースペース

 定量的な比較が可能だったのは僅か4台のみだった。サインツはドライになって上位とやや差を縮めたが、それでもまだ大きな差がある。

 定性的な比較としては以下の結論を導くことができる。

・ベッテルはストロールより速いか互角
・ハミルトンはストロールより速い
・フェルスタッペンはストロールより速い

 ちなみにルクレールとペレスに関しては、どちらが速いと結論づけるのは危険だろう。最後にルクレールのペースが落ちたのはスティント前半にペレスに猛攻を仕掛けて無理をしたからと考えられるため、ペレスの方が速かったと結論づけることはできない。逆にルクレールの猛攻がどれだけタイヤにダメージを与えたか定量的に評価できないため(ルクレールがタイヤを労わりつつ付いて行っても離された可能性を否定できない)、逆も断定することはできない。

2. レースペースの分析

 以下に分析の内容を示す。フューエルエフェクトは0.06[s/lap]で計算した。

 また、各ドライバーのクリアエアでの走行時を比較するために、全車の走行状態をこちらの記事にまとめた。

各ドライバーの使用タイヤはこちらのピレリ公式より

 また、今回は中古のドライタイヤを使用したドライバーはいなかった。

 またスティント前半でダーティエアでも、途中からクリアエアになっており、かつ前半のダーティエア内でもタイヤを労われていて極端なペースダウンでもない場合、スティント全体をクリアエアのように扱ってよく、当サイトではその状態をオープンエンドクリアエア(OEC)と定義している。

2.1. インターミディエイトでの比較

 まず前半のインターミディエイトタイヤでのペースを比較していこう。

2.1.1. チームメイト比較

 最初に比較可能なチームメイト同士で見ていこう。

図1 ルクレールとサインツのレースペース
図2 ガスリーと角田のレースペース

 ルクレールはサインツを平均1.0秒、ガスリーは角田を平均0.5秒上回っていた。

2.1.2. チームを跨いだ比較

 ここからはライバルチーム同士で比較を行っていこう。

図3 ペレス、ルクレール、ノリス、ガスリーのレースペース

 平均で、ペレスはルクレールを0.1秒、ノリスを1.8秒、ガスリーを2.6秒上回っている。

2.1. ミディアムでの比較

 続いて後半ドライタイヤに履き替えてからのペースを見てみよう。比較可能なのはミディアムの4台だけだった。

図3 ペレス、ルクレール、ノリス、ガスリーのレースペース

 平均で、ペレスはサインツを0.6秒、ノリスを1.1秒、ストロールを2.4秒上回っている。

 これらを総合し、表1,2の結論を得た。

Analyst: Takumi