• 2024/5/19 13:37

【News】ラスベガスGPの紹介

Bytakumi

3月 31, 2022

 2023年の開催が発表されたラスベガスGPについて、より詳細な情報がF1公式サイトに掲載された。

 1981、82年に開催された土地とは完全に異なり、今回は有名な大通り”ラスベガス・ストリップ”を使用した2kmのストレートを含むレイアウトだ。

 ラスベガスは世界的に有名な街で、レディ・ガガ、アデル、エルトン・ジョンが長年居住している他、大通りの一等地では、世界的に有名なシェフ達が最新の革新的な料理を作り、しのぎを削ってきた。また、フットボールチーム”ラスベガス・レイダース”のホーム”アレジアント・スタジアム”もあり、2024年のスーパーボウルが開催される予定だ。

 レースはナイトレースとなり、木曜日にフリー走行、金曜日に予選と、通常より1日早いスケジュールだ。

 大通りのベネチアン、シーザーズパレス、象徴的な噴水を有するベラージオなどの有名なホテルを突き抜けるレイアウトとなっており、ドライバーにとっても刺激的だろう。2kmのロングストレートエンドを駆け抜け、左コーナーに向かってハードブレーキング、連続する高速コーナーとシケインは刺激的だ。

 また交通量が多いため路面はバンピーだが、開催に向けて再舗装される。そして中央分離帯を避けて片側車線のみを使っての走行となるが、それでも道幅は12~15mあり、サイドバイサイドのバトルが可能だ。

 また、事前に31パターンのレイアウトがデザインされていた。最終的に決定したこのレイアウトは非常に高速で、モンツァ、スパレベルのダウンフォースレベルとなる。

 アメリカでは3つのGPが開催されることになるが、唯一のパーマネントサーキットであるオースティン、ハードロックスタジアムを回るマイアミ、そしてこのラスベガスと個性が分かれている点も注目だ。

コース図を含むF1公式の紹介ページ

Source: Formula 1 Official Website

管理人のコメント

 2kmのストレートと聞いて最初に思ったのは、とにかく予選で単独で走りたくないなということです。モンツァで1.1km、あの富士スピードウェイでも1.5kmですから、かなりの長さです。さらに2本のロングストレートがあり、おそらくF1マシンならターン7,8も実質ストレートになりそうに見えます。いつぞやのモンツァの予選のように譲り合いの結果タイムアウト、のような展開で初見のアメリカのお客さんをガッカリさせないよう対策を徹底したいところでしょうね。個人的にはFP3のタイムで走行順を決めて1台ずつのアタックでも良いかなと思います。スプリント予選とかもやっているのですから、1戦だけ異なる予選方式を採用しても特に問題はないでしょう。

 またレースでは例えば「ストレートに入った時に1.2秒程度でも抜ける」みたいなこれまでのF1の常識では考えられないことも起きるかもしれません。となると、多少自分の方が速くても逃げきれず、毎週抜きつ抜かれつになる可能性があります。そうすると、逃げ切るためにはどれだけのペースアドバンテージが必要なのか?そのために必要なタイヤの履歴差は何周分か?そこが自分のペースで走るためのキーポイントになってくるかもしれません。

 逆に言えば、「前に出ないアンダーカット」も機能するかもしれません。例えば第1スティント終わりで3.0秒離されていても、相手より1周早く入って1.0秒に持ち込めば、第2スティントでは1周古いタイヤで(若干ペースで劣っていても)も抜きつ抜かれつの展開に持ち込むことができるかもしれない。現時点ではそんな風に思います。

 またDRSゾーンや検知ポイントをどうするかも注目ですね。ターン13からターン1、ターン4~5でDRSを使えるとなると、本格的に「逃げられないサーキット」になります。2つか3つのコーナーで1.0秒引き離さないといけないわけですから…。またロングストレートに関しては、ターン9前後に検知ポイントを設けるより、ターン10あたりの方がDRSは使いやすいと思われます。(ターン10までの全開区間でスリップが効いて近づくため、)

 戦略・戦術面で色々と頭のひねりようがあると思うので、個人的には面白いレイアウトだと思っています。