ウェットからドライに替えるレースでは、タイヤ交換のタイミングから逆算してそこまでタイヤが持つように労らなければならない。前半から飛ばしすぎ、ドライに替えるにはまだ早いタイミングでタイヤが終わってしまってはジ・エンドである。
上位争いの3人のラップタイムを以下に示す。
Fig1. VER, HAM, LECのウェットペース
今回のレースでは多くのドライバーが22周目前後からタイムを落としているが、レッドブルやメルセデス、アルピーヌのドライバー達はその後ラップタイムが回復しており、ハミルトンの「グリップが戻ってきた」という無線からも、このタイムの落ちは摩耗によるものというより、グレイニングもしくは、20周目付近の乾いてきた路面でプッシュしオーバーヒートしたことが原因と考えられる。
ルクレールは前半から慎重なアプローチを採っており、後半多くのドライバーが苦しむ中でペースを上げ大きくタイムをゲインしている。常にタイヤに気を使って走っている様子が伺える。(このタイム推移からその他大勢のタイムダウンはグレイニングによる可能性が高い)
他にはシューマッハが大きくタイムを上げている。以下にハース勢のタイムを示す。
Fig2. ハース勢のウェットペース
シューマッハはマゼピンとの差からタイヤが機能する温度では使えているようだが、タイムの上がり方が急激で、最初は抑えすぎていた可能性がある。
Part3ではノリスの活躍が輝いたドライでのレースに目を向けていく。