• 2024/12/4 02:30

【News】ハミルトンがルクレールとバトルについてのみコメントも、フェルスタッペンとの比較は明言せず

ハミルトン ルクレール フェルスタッペン

 Sky Sports F1にハミルトンのコメントが掲載された。ハミルトンはルクレールとの終盤のバトルについて語っている。

「シャルルは凄かったよ。なんて凄いバトルだ。」

「とても分別あるドライバーで、昨年経験したこととは明らかに大きく違っていた。たとえばコプスでは2人が無事に通過した。」

「なんてバトルだ。」

Source: Sky Sports F1

Writer: Takumi

管理人のコメント

 何やらハミルトンが「ルクレールはフェルスタッペンより遥かに分別があるドライバーだ」とコメントしたという記事が出回っているようですね…。

 少なくともハミルトンが比べているのは「昨年の経験(バトル)と今年の経験」です。そしてルクレール1人をただ「分別がある(sensible)」と称賛しているだけです。決してフェルスタッペンとルクレールを比較しているわけではありません。

 実際ハミルトンの中で皮肉を言う意図があったのかはわかりません。しかしそういう想像をするのはファン一人一人が心の中でやることであり、メディアが断定型の文章で記事に書くのは不適切というのが私の考えです。事実は事実として、考察したことはそう考えた旨を(「〜と考えられる」など)、解釈・憶測はその旨を(「〜のように思える」「筆者は〜解釈した」など)分かるように書くのが、執筆の作法だと思います。

 このようなミスリードは、フェルスタッペンファンのハミルトンに対する敵意を煽り、ページ閲覧数を稼ぐことに関して効果的と考えられます。当該記事の翻訳・執筆者が意図的にやったのか、言語運用能力の問題だったのかは定かではありませんが、好ましくないのは確かでしょう。

 私がF1関係のSNS発信を始めてから、メディアが己の利益のために一般視聴者を踊らせ、F1ファン界隈が混沌としていく様を度々見てきました。これはとても悲しいことですが、社会の仕組みも完璧ではない以上、短期的にどうにかなる問題ではありません。

 だからこそ、私にできることは「閲覧数を無視し、誠実に事実を発信する」ことを貫くことです。もちろんミスはあると思いますが、少なくとも意図的に自分の利益のために事実を捻じ曲げたり、誤解を与える表現でミスリードしたりということは絶対にしないスタンスを、頑なに続けていきたいなと思っています。

 人気やお金より「心から誇れる行動」を選択し、「閲覧者にとってプラスの変化量をもたらす発信」をすること。そんな価値観でF1ラップタイム研究室を細々と続けていきたい次第です。

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 で、私自身はハミルトンの発言をどう受け取っているかというと、正直分かりません。

 元記事のSkyさんでも「皮肉を投げかけた(aimed a dig)」と表現しているので、私は先述の倫理観から、「それは記者さんがそう解釈しただけなので書き方としては良くないのでは?」と思っていますが、そういう風に受け取られても仕方ない言い方をしてしまったのは確かです。メディアはそういう体質なので、ハミルトンも(本意でないなら)不用意だったかと思います。

 ただ、今フェルスタッペンを揶揄する動機もなければメリットもないので、ただ「シャルルは凄かった!」「去年みたいにならなくて良かった」ぐらいに思っている可能性は高いと思います。

 ハミルトン自身も、昨年は自分のミスでコプスのエイペックスを外してしまったのは分かっているので、「去年の経験と違った」は飽くまで「当時の自分とフェルスタッペンはああなってしまった」という認識だと考えるのが自然でしょう。個人的には目線が手前に落ちたのが原因だと思っていますし、目線が落ちる原因は精神的な乱れと考えられるので、ハミルトンから見える世界が今年と去年では別物だったのも理解できます。

 観衆のフェルスタッペンに対するブーイングには反対していたようですし、わざわざ皮肉で言ったというのはちょっと考えすぎな気が個人的にはしています。