バーレーンGPフリー走行2回目では各車ロングランを行いデータの収集に励んだ。今回はそんな各車のラップタイムを見ていこう。まず図1に10チームのラップタイムを示した。
基本的には、
- ソフトタイヤを履いている
- 第1スティント前提で走っている
と考えられるドライバーをチョイスしたが、ストロールとアルボンのタイヤが不明、シューマッハはミディアムとなっている。ただし図2に示す通りミディアムのハミルトンとソフトのラッセルで、タイムとデグラデーションに違いは見られない。よってシューマッハについてもソフト勢とおおよその比較をしても許されるだろう。
話を図1に戻すと、フェルスタッペンがその他大勢から飛び抜けているのは一目瞭然だ。2番手集団はフェラーリ、メルセデス、アルファロメオとアルピーヌといった所だろう。アルファタウリはやや水を開けられており、マクラーレンとアストンマーティンが続く。そこからやや差があってハース、最も課題が残っていると思われるのがウィリアムズだ。
ただしフェラーリについてはルクレールの実力が未知数だ。図3に示す通り、ルクレールは2周しか走っていないもののタイムレベルは非常に高く、このペースをキープしていけるようだとフェルスタッペンの対抗馬になるかもしれない。
また、各車デグラデーションが大きく、フェルスタッペンで0.12[s/lap]、ラッセルで0.08[s/lap]となっているが、通常レースではよりマネジメントしてくるため、最終的には各車横ばいか右肩上がりになると予想される。(※フューエルエフェクトは0.06[s/lap]で計算)
ちなみに、ボッタスとアロンソのタイムの落ちが大きいが、ここから2人のデグラデーションが大きいと読むのは少し違う可能性がある。2人とも共通して1周遅いラップを挟んだ後、速いラップを刻んでいるからだ。おそらく遅いマシンに追いついてしまって間隔を空け、最後にプッシュしたのかもしれない。
ルクレールはソフトタイヤを履いており、第2スティント前提のランでソフトを履くとは考えにくいため、燃料搭載量は他と同程度と思われる。これをどう見るかは現段階では難しいところだが、日曜日に答え合わせとなるだろう。
続いてはガスリーと角田のペースを図4に示す。
角田はミディアムで、ガスリーはソフトをチョイス。走り始めはガスリーが速いが、角田のデグラデーションが少なく、メルセデス勢とは異なる傾向が見られた。角田のタイムがやや上下しており、その影響もあるかもしれないが、5~6周でタイムが逆転すると考えれば、10周以上のスティントでは2台が互角のパフォーマンスとなりそうだ。ここはどうなるか様子を見てみたい所だ。
依然としてレースをしてみるまで分からないことは多いが、少し予想がしやすくなってきたのではないだろうか?フェルスタッペンvsルクレール、アロンソvsハミルトンのライバル対決が実現するのか?ボッタスはどこまで来られるか?注目ポイントが山盛りの週末となりそうだ。
Writer: Takumi